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村に帰った後でもずっと彼のことが頭から離れなくなっていた。畑仕事をしていても気がついたら彼のことを考えているという生活が続き、遂に俺は恋心を抱いてしまっていることに気がついてしまった。気がつきたくなどなかった。俺と彼には身分という変えられない壁が存在しているからだ。
―以前会った時から一週間がだった時、清左衛門はまた市へ米を買いに出掛けており、朱夜から尋ねることの許可をもらっていたことを思い出し会いに行くことにした。
以前のように塀から覗いてみると、今回も女房は居ないようだったので入ると朱夜は歓迎してくれ、今日は軽く雑談をしてみることにした。
なんと呼べばいいのか戸惑っていると
「そんな堅苦しく思わなくて大丈夫だ。もしよろしければこれからは友人として接してくれ、私のことは朱夜と呼んでくれたら嬉しい。」
と友好的な返答をしてくれた。話を聞いていくと、どうやら彼は今まで友人と呼べる存在がいなかったようでなんだか自分が一番最初の友人ということが嬉しくなった。
そこから彼とは週に一度会いに行くことに決め、話していくうちにお互いのことを知って行った。