「…じゃあ、やろっか?」
そう聞いてくる彼女。選択肢なんて、一つに決まってるのに。
「あっ、でもローション持ってないなぁ…。」
わざとらしく困ったなぁと言ってくる。一体、なにを考えているのだろうか。
「…そうだ、ねぇニキニキ?これ、舐めてみて?」
これでもかと言うほどの笑顔を浮かべながら彼女はこちらへ手を差し出してきた。
嘘だろ、流石に人様の手を舐めるのには抵抗がある。
だが、彼女は断る隙を与えないかの様にだんだんと手をこちらへ近づけてきた。
「…っ、」
まるで雪のように白く、綺麗な指。こんな手を自分が今から舐めるのか…?
羞恥心のあまり顔を熱くなっていく。そんな俺を無視するかのように彼女の綺麗な指はもうすぐそこまで来ていた。
「あれ?舐めてくれないの?」
ニヤニヤと笑みを浮かべながら問われる。嗚呼、もういっそ割り切ってしまおう。
「はぁ…、んっ…ふ、」
我ながら気持ちの悪い声を漏らしながら彼女の指を咥えていく。
「…どう?」
「どうって…別になんとも…」
「へぇ…?」
相変わらずニヤニヤと笑みを浮かべる彼女。
いつもだったら下から見つめてくるはずの彼女に見下されてるだなんて、なんだか不思議な感覚だ。
「…そろそろ、いいかな」
「ん、」
…ちゅ。軽く鳴ったリップ音がやけに頭の中を飽和していた。
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