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「ヴォックス・テックにお任せを。」いつもの言葉でテレビは終わっていく。モニターの前には多くの人が集まっていた。みんなテレビに釘付けだ!盗聴器やらなにやらは売り上げは勿論絶好調で番組、お前の妹とヤったけどなにか?の視聴率もぐんぐん上がっていってる。最近バラエティーに出演することも多くプライベートの時間が取れることが少ない。ヴァルはどうにもそれが気に食わないのか不機嫌なことが増えてきて部下をもっと乱暴に扱うようになった。週に3回はヴェルべットからの着信が来て、そのたびまたヴァルが面倒を起こしたのかと呆れる。いや、むしろ何も思わなくなってきたかもしれない。
「HAHAHA!やっぱテレビは最高だな!」機嫌がよく、心の底から浮かび上がる嬉しさに笑っていると私一人しかいない部屋に電話の着信音が響いた。「クソ。またヴェルヴェットか。」通話を開くと疲れ果てたようなヴェルべットの顔がモニターに映った。正直もう分かりきっているさ。「ヴォックス!アンタの坊やがうちで暴れてるよ。またモデルを引き裂かれた!早く来な、返事はいらない!!」乱暴に通話を切られると一つため息が出た。重い足取りで呼び出し相手のいるところまで行くとヴェルが鬼みたいな目で睨みつけてきた「ヴェル。Ah…すまないな、私の暴れん坊チャンはどこだ?」なるべく相手をなだめるように問いかける「いつも通り自分の部屋に戻ったよ。早く行きなプリンス!!二度とこんなことさせんじゃないよ!」シッシッと私を追っ払うとすぐにモデルという名のマネキンでコーデを考え始めた。私ははもちろん、しぶしぶエレベーターでヴァルの部屋に行く。使いが丁寧にドアを開けると彼の自室へ足を踏み入れる、と同時に真横に酒の入ったグラスが投げつけられた。「ヴォックス!!!遅い!!」ヴァルはずいぶんと洒落た煙管を持ちながらこちらを怒鳴りつける。「また尻軽がへましやがった!」正直こいつのいう尻軽が誰かはわからない。多すぎるから。「で、今日はどの尻軽?」「最近入った新人のアナリシスに決まってんだろ!!!」分からないにきまってる。なんて言葉に出せるはずもなく心の中で静かに呟いた。「で、そいつが何をしたんだ?」「金も貰わず男と遊んでやがる!このア〇ル野郎!!」そういえばこいつの部下にそんなのがもう一人いたな。「エンジェル・ダストみたいな?」HA、と笑いながらそう言うと気が収まってきたのか落ち着いた声で「ああ。そうだよ」と返してきた。いつもならここは「その名前を出すなクソッタレ!」と言われ叩かれるところだが今日は珍しいな。それと、後々面倒になるから拗ねているヴァルの機嫌を何とか取り戻したい。幸運なことに今日の夜は予定が空いていた。ならこれしかないな「ヴァル~♪最近君となんにもしてなかったね?」顔を近づけ営業スマイルで話を続ける。「今夜予定が空いていれば楽しい時を過ごそうでは無いか。」温厚な声で気に障ることはなるべく言わないように提案をした。「今日は手加減するなよ。滅茶苦茶キツイやつでな!!!!」「分かってる。honey。また今夜な」あいつの滅茶苦茶はとんでもない。今夜は死ぬ気で挑んでやる。というしょうもなすぎる決意のようなものを抱き静かに笑いながら自室に帰った。