山本麹は、ごく普通のサラリーマン。週末に家でくつろぐのが楽しみな、ごく普通の男だ。しかし、ある日会社の帰りに立ち寄ったコンビニで、思わぬ出来事に巻き込まれる。
その日、山本は特に変わったこともなく、いつものように新聞と週刊誌を手に取ってレジに向かっていた。目に止まったのは、「呪術師が街で暴れた!」という大きな見出しが踊る週刊誌。どうせ、また馬鹿げた内容だろうと軽く流していたが、買い物を済ませて帰ろうとしたその時、奇妙な音が響く。
一歩踏み出した瞬間、周囲の空気が一変。何やら異常な気配が漂ってきて、山本は自分の体が反応していることに気づく。
山本は通りを歩きながら、記事を見ていると、突然目の前に小さな呪霊が現れる。小さな人型の呪霊が「ジュジュツシ!」とわけもなく叫びながら近づいてくる。しかし、山本はただのサラリーマンで呪術のことなんて全く知らない。驚きと困惑のあまり、山本はただその場で固まる。
「え、えーっと…なにこれ?」と慌てる山本。呪霊がさらに近づき、あろうことか週刊誌を引っ張り取って、ページをめくり始めた。
「うわっ!ちょっと待って、俺が買ったやつだ!」と慌てる山本。呪霊はどうやらその記事に激怒しているらしく、山本に向かって「ソレハジュレイヲバカニシテイル!」と叫びながらページを破り始める。
「だから!それ俺のだってば!」と叫びつつ、山本は週刊誌を引き寄せようとするが、呪霊の手が先に届く。
そこで、突然、後ろから「やれやれ、またこんなところで暴れてるのか」と声が聞こえる。振り向くと、見知らぬ人物が現れる。彼の姿は、まるで映画のヒーローのようにビシっと決まっていて、手には一振りの刀を持っている。
「これは…呪術師の戦い?」と山本が驚くと、ヒーローのような人物が軽く頭を掻きながら言う。楠本という。「違う、これはただの呪霊だ。すぐに終わるから、君は後ろに下がっていな。」
その人物は呪霊に向かって、呪文を唱える。呪霊はピクッと反応し、すぐに消滅する。しかし、その一瞬、呪霊が放った一撃が山本の肩をかすめ、ふらつく。
「おいおい、大丈夫か?」と呪術師のような人物が山本を支える。
「え、あ、うーん…大丈夫です。いや、なんかすごいことになってませんか?」
呪術師は笑いながら言う。「まあ、呪術師の世界にようこそってとこかな。君、呪力を持ってるだろ?」
「え?呪力?そんな…俺、普通のサラリーマンなんですけど。」
「ふむ、そうか。普通じゃないね、君。まあ、近いうちに、呪術の世界に君を引き入れないといけないみたいだ。」と呪術師は笑いながら言う。
山本は目を白黒させながら、呪術師の話を聞き、ちょっとしたパニック状態に陥る。「いや、ちょっと待ってください。いきなり呪力とか呪術師とか言われても…何が何だか。」
その呪術師はにっこりと笑う。「君が知らないだけだよ。今日はちょっとしたきっかけだ。まあ、また後で説明するよ。」
その呪術師が去ると、山本はしばらく呆然と立ち尽くす。突然の出来事に頭が混乱し、週刊誌を手に取りながらぼんやりと呟く。「…これ、どうなっちゃうんだろう。」
次の日、山本はいつものように通勤電車に乗っているが、ふと周りを見ると、どこか違和感を感じる。「これ、昨日見た人たちだ…」と気づく山本。呪術師や呪霊といったものが、現実の一部になっていることを実感し、心の中で決意する。
「これから、どうなっていくんだろうな…。」
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