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「……せやから、男なんか信用したらあかんねん。」
みりんは腰の剣を壁に立てかけ、腕を組んで椅子に座っていた。場所は、城下町のとある小さな宿屋の一室。窓の外では夕日が沈みかけており、街の影が赤く染まっている。
目の前にはサブ。そして、その隣には貴族嫁の萌香。
「えぇー……俺、結構頑張ってんだけどなぁ……」
サブは苦笑しながら頭をかいた。
「それが甘いっちゅーねん! 僕の人生、どんだけ男に振り回されてきたか……考えただけで吐きそうやわ。」
「いや、お前の人生は転生してるから、二回分あるじゃん。」
「そんなん関係あらへん! どっちにしろ男が絡むとろくなことにならん!」
みりんは机をバンッと叩く。
「で、何や? そんであんたら、何しに来たん?」
サブと萌香は顔を見合わせる。
「……実は、貴族街の討伐隊が全滅して、萌香の旦那が行方不明なんだ。」
みりんの表情が変わる。
「……は?」
「で、俺たちで調査することになったんだけど、お前も手を貸してほしい。」
みりんは沈黙する。
彼女は男嫌いの一匹狼。人と群れることは嫌いだった。しかし、それでも……。
「……全滅、て。討伐隊の連中は弱いやつらとちゃうやろ? そんなん、何があったらそうなんねん。」
「それを調べるんだよ。」
サブが真剣な表情で言う。
みりんは少し考えた後、ため息をついた。
「……しゃーないな。ええわ、協力したる。」
「おおっ! さすが!」
「せやけど!」
バンッと机を叩く。
「サブ! あんた、また変なこと考えてるんちゃうやろな?」
「えっ、そんなことないけど……?」
「ほんならええわ。変なことしたら、マジでぶっ飛ばすからな。」
「はいはい……」
みりんは立ち上がり、剣を肩に担ぐ。そして、にやりと笑った。
「ほな、行こか。貴族街の闇を暴くで。」
──こうして、男嫌いの剣士・みりんが、サブたちと共に動き出したのだった。