レイスの瞳が、血のように赤く燃え上がる。
「…許さねぇ。」
彼の声は低く、地の底から這い上がる呪詛のようだった。
みりんの血が地面に広がり、それがまるで生きているかのように脈打ち、蠢き始める。レイスはゆっくりと手をかざした。
「喰らえ、“血の虎”。」
ドンッ!!!
地を割るような衝撃とともに、血の塊が猛々しい虎の姿を成していく。
血の毛並みは逆立ち、瞳は灯火のごとく光る。その体躯は異常なほど巨大で、戦場を埋め尽くすほどの威圧感を放っていた。
「ガルルルル……!!!」
虎は低く唸り、アレクシスを睨みつける。
「…ほぉ。」アレクシスは依然として余裕の笑みを崩さない。「なかなか面白いものを見せてくれるじゃないか。」
「笑っていられるのも今のうちだ。」レイスは静かに呟く。
次の瞬間、血の虎が爆発的な速さで駆け出した。
ドオオオッ!!
地を砕きながら、一直線にアレクシスへと襲いかかる。
「やれるもんなら、やってみろよォ!!!」
アレクシスは高らかに笑いながら、迎え撃つべく手をかざした。
血と魔の激突が、今始まる。
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