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国木田「おい、四月一日」
四月一日「はい」
国木田「なぜこの資料をやっていない?」
四月一日「ごめんなさい。今やります」
私は四月一日蒐。四月一日はわたぬきで苗字、蒐があかねで名前。武装探偵社にこの間所属した。異能力者・・・・・ではない。だが、乱歩さんのように推理力があるなどと人一倍何かが得意なわけでもない。そのおかげでひどい扱いを受けている。特にひどいのが私が入社する数日前に入社した、小鳥遊恵(たかなしめぐみ)がほぼいじめに近いような暴力や暴言、陰口をたたいたりしている。だけど、私は言い返せない、反撃もしたいけどできないほど気が弱かった。そんな自分が私は嫌い。それに加え、探偵社員の皆までも私を避けるような冷たい態度だったり、話すときも同じ任務の時も恐い目で、強い口調で話す。
小鳥遊「また怒られてるwマジでどんだけドジなんだろ」
言い忘れていたが、恵も異能力者ではないと聞いている。
小鳥遊「異能力も使えないような奴が探偵社くんなよw」
蒐「それは貴女も一緒だと思うけど・・・」
小鳥遊「なに?なんか文句ある?」
蒐「なにもありません」
なんで言い返せないのだろう。今すぐにでも顔面に拳を力いっぱい当てたい。でもそんなことをしたら探偵社を追い出されてしまうかもしれない。その一心で恵には言い返せないまま。憎い。
太宰「まあまあ。喧嘩はそこまでにしておいてくれ給え」
蒐「太宰さん・・・」
小鳥遊「わかりました。失礼します」
太宰さんは優しかった。太宰さん以外はとても話せたものではないけれど、太宰さんだけは話しかけやすく、よく雑談もしていた。
蒐「太宰さん、いつもありがとうございます」
太宰「お礼はいらないよ。私は恵のやり口が気に入らないだけさ」
蒐「いえ、私は恵さんに言い返せないので助けてもらえてありがたいんです」
太宰「それでは私と心中はどうだi」
蒐「それはお断りさせていただきます」
*************
帰り道、私はルンルンで歩いていた。
蒐「はぁ~みんな、大丈夫なのかな?」
私は探偵社員から避けられたり態度が冷たかったりするけど、探偵社は好きなんだよなあ。あ、勘違いしないでね。私はそういうのが好きなわけじゃないから。
蒐「それにしても・・・はぁ」
なぜあのような態度をとるのだろうか。私は何もしていないのに、否、私が気付いていないだけで実は迷惑をかけているのかもしれない。明日から少し気を付けてみようかな。
蒐「うわっ!」
ドンッと音がして、私はしりもちをついた。どうやらぶつかってしまった様だ。
???「すみません。大丈夫ですか?」
ぶつかってしまった人がそう声をかけ、手を差し伸べてきた。私はその手を取り、立ち上がった。
蒐「わ、私のほうこそすみません。前を向いていなかったせいで・・・けがはありませんか?」
???「大丈夫ですよ。」
蒐「それならよかったです。・・・それでは」
???「少し、待ってくれませんか?」
蒐「?はい__」
私が後ろを振り返ろうとしたが、その前に後ろから衝撃がして、私は意識を絶った。
今日も楽しかったな~。
私__小鳥遊恵は帰路を歩いている。今日もあいつ_四月一日蒐を虐めるのは楽しかった。お金ももらえてすっきりできるってほんっと最高!
今回はプラスアルファで仕事が入ってるんだっけ、たしか・・・放火?だったっけ?(皆さんは絶対にしてはいけません)住所が蒐の家で、蒐の足止めはあの人がやってくるから・・・早くいっちゃお!帰路から方向転換し、蒐の家へと向かった。
蒐の家に放火をした後、あたりはすぐに大騒ぎになり、消防車が来たり火を消したりとかなり忙しそうだった。だが、そんなの私には関係がないので私はそのまま家に帰った。
蒐「うぅ・・・」
起きると、公園のベンチに座っていた。昔よく遊んでいた__隠ればしょだった公園。あの頃の秘密基地は今も残っている。過去を懐かしんでいる場合ではない。
蒐「気を失ってここに運ばれてきたんだよね?」
きっとそうだ。気を失った後、ここに運ばれたのだ。犯人は何が目的なのだろう?
刹那、携帯から音が鳴った。マナーモードにしているはずなのに・・・
なにか嫌な予感がした。でも、とりあえず見てみようとおもい、見ると、そこには一通の新着メールがあった。名前は書いていない。だが、そこにあった一文で私は凍ったように動かなくなった。
<あなたの家を焼却させていただきました>
一瞬冗談かと思ったが、その下のURLと画像で確信してしまった。
画像は家が消火された後の写真。URLは数分前に何者かによって放火された。幸い、他の家には燃え移らなかった。というようなことが書かれたニュース記事。
信じられなかった。私の意識がない間に家が使えなくなってしまうなんて。
というか違和感がある。まるで私が家に帰らせないようにして家を燃やしたようだ。
蒐「・・・とりあえずあそこに行こう」
ここの公園には私が幼少期だったころに作った秘密基地がまだ残っている。私はたまに秘密基地に行っては非常用のものを確認し、交換している。
★★★
昔、私には幼馴染の男の子がいた。その子は異能力を持っていて、よく二人で遊んでいた。異能力は想像すれば創ることができるとても便利な異能。それで秘密基地を作ってもらった。でもある日、その男の子は交通事故にあって死んでしまった。★★★
取り敢えず秘密基地に入る。部屋はいい感じに偽装されていて誰も気づかないようになっていて、電気と水は隣にある家から引っ張ってきているから大丈夫(犯罪だからマネしないでね☆)。
ゲームなどの電子機器はスマホくらいしかないが、本はたくさんあるので一応娯楽はあった。ここは安全地帯と言っても過言ではないのでゆったりできる。まあ、今日は寝よう。
朝起きると、昨日過去を語っている間にコインランドリーに行き、洗っておいた業務用の衣服に着替え、顔を素早く洗い、朝食を食べた。昨日も言っておいたとおり、非常用の食材を使って作ったものだ。自分で言うのもなんだが、かなりおいしい。歯磨きなどの身支度を終えた私は、秘密基地から探偵社へと向かった。
着くと、毎度お馴染みの無視と冷たい態度。若干慣れてきた。否、嘘。そして、相変わらずの太宰さんはさらに深刻そうな顔をして迫ってきた。
太宰「蒐ちゃん。大丈夫だったかい?!」
一寸ポートマフィアの雰囲気が出てしまって圧力が・・・
蒐「太宰さん、怖いです」
太宰「あ、すまない。それで、新聞で見たのだけれど__」
蒐「はい、そうです。ですが、そんなに心配しないでください。私は大丈夫なので」
太宰「大丈夫なわけがないだろう?住む家がなくなっていしまったのだよ!?」
蒐「・・・大丈夫なんです。そういうのもあるとは思っていたので。少し耳を貸してもらえませんか?」
太宰「?なんだい?」
蒐「実は・・・公園に昔幼馴染と作った秘密基地があって、そこに泊まったんです。なので、大丈夫です」
太宰「そうなのだね。わかった」
太宰さんも気を遣ってくれたのか、深く掘り起こそうとはしてこなかった。
*********
「ごめんなさい。私は何もしていないんです。生まれてきてしまい申し訳ございません。」
気が付けば口にしている。昔の私の口癖だった。私はある村で育った。両親はどちらも優しく、そして、御人好しだった。私が子供の頃、両親とはほかの村の人々に避けられ、怖がられ、虐められていた。今とほぼ同じ状況だが、こちらのほうが酷かった。
何もかもが嫌いだった。嫌だった。生きる意味もなかった。皆が君が悪い気味が悪いと私を差別した。いつしか私は彦こもるようになった。学校にだって、外にだって一歩も出たくはなかった。自分でもわかっていた、親不孝だと。でも出たくない。そんな日が続いたある日、私のもとに社長が来たのだ。探偵社に入らないかと。何もしていない。引きこもっていただけだ、だが社長に勧誘された。賢治君の様に土砂の軌道を変えたわけでもないのに。
*********
そんなこんなあって私は探偵社に入社した・・・はいいものの、虐められる日々。内心、もう嫌だった、死にたかった。太宰さんと心中してもよかった、できれば今すぐにでも腹に包丁を突き立てて刺したい気分だ。だがそんなことをしては社の迷惑になる。だから我慢している。
蒐「死にたい・・・」
しまった。ここは事務所だ、そんなところでこんなことを言ってしまっては・・・!
小鳥遊「なに?蒐。死にたいって言った?」
乱歩「早く死んだら?」
小鳥遊「そうですよね!早く死んでほしいです。というか蒐って漢字って草冠に鬼だよね。わ~怖い怖い」
もう遅かった。社員が次々と罵倒を浴びせてくる。いくら探偵社が好きだといってもこんなに罵倒を浴びせられれば限界だ。荷物をまとめて早く出て行こう。