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これみて初めて祖晴好きになりました、!
めっちゃ良いんですが…。少し晴明様(せいめい)がヤンデレなのが良い… ( ߹꒳߹ ) みんな心配してるのも好きです( ु ›ω‹ ) ु♡
祖晴
晴明視点
『スゥー、、、スゥー、、、』
「、、、きくん!」
「、、るあき!」
何だろ、、、?声、、、?
「晴明君!/晴明!」
『うわぁっ、、、!!』
凜「うわぁって、、、そないぐっすり寝とったんか、、、。」
飯「今から授業始まるぞ。」
どうやら僕は、授業の合間に寝てしまったらしい。
凜「最近多いで?ちゃんと寝とるん?」
『うん、、、寝てるはずなんだけどね、、、』
飯「あんま無理すんなよ。」
『うん!ありがとう!』
何故か最近、僕は少しの合間でもすぐに寝てしまう。夜はいつも通りの時間に寝て、朝もいつも通りの時間に起きているのに。
不思議に感じながら授業の準備をしていると、チャイムが鳴ってしまった。
『やば!急がなきゃ、、、!』
授業が終わり、生徒のみんなが帰る準備をする頃。
僕は職員室の扉を開いた。まだ他の教師達は戻って来ていないのか、職員室に人は居なかった。
僕は鉛のように重い足で少しずつ歩を進め、自分のデスクへ着いた。
あぁ。
酷く眠たい。
何とか起きていようと奮闘するが、その思いも虚しく、段々と瞼が下がっていった。
他視点
凜「晴明君、まーた寝とるやん。」
飯「最近、ほんとどうしたんだよ、、、。」
恵「今は特に行事とかテストとかない時期だから、忙しくない方なのにね。」
学「1回医者のもとへ勧めてみた方が良さそうですね。」
恵「それ必然的にたかはし先生になるけどね。」
飯「まぁ、しゃーないだろ。」
凜「僕らがこんな近距離で喋っても起きへんとか、、、。ほんま心配やわ、、、。」
学「晴明君、起きてください。」
『ん〜、、、。う、うぅ、、、。』
学「晴明君。」
『う″ぅ″、、、。ケホッケホッ、、。』
飯「お、おい、これ、うなされてるんじゃねーの?」
恵「、、、かもね。」
凜「は、晴明君、、、!はよ起きや!」
晴明視点
『ん、、、。あれ、、、?りんたろー、、、くん、、、?』
りんたろーくんがぼくのかお、、、
のぞきこんでる、、、。
どうしたんだろ、、、、、、?
凜「そやで?晴明君、大丈夫なん?」
『だいじょうぶってなにが、、、
っ、、、!
あ、あれ?!僕また寝てた?!』
僕はそこでようやくハッとした。僕はまた寝てしまったんだ。
恵「うん。」
『あ、、ご、ごめんなさい、、、!
これから気を付けますから減給だけは勘弁してください、、、!!!』
居眠りで減給なんで御免だ、、、。
学「、、、そんなことより、貴方1回医者のもとへ行ってください。」
『え、、、?医者、、、?』
なぜ医者を勧められるんだろう、、?
あ、僕があまりにも居眠りしてしまっているからか、、、。
飯「睡眠不足とか疲労とか、、、。原因分かれば何とか出来るだろ。
1回たかはしのところ行っとけよ。」
『あはは、、、。僕は大丈夫だよ!』
悪いのは居眠りした僕なのに、みんな心配してくれるなんて優しいなぁ、、、。
心配するみんなを落ち着かせ、僕は自分の仕事へ意識を向けた。
僕は凜太郎君と一緒に帰った。
凜太郎君はずっと僕の心配をしてくれた。けど、僕はちゃんと睡眠時間も取っているし、ご飯も食べている。だから、居眠りをしてしまう原因が分からなかった。
凜太郎君の部屋にお邪魔してご飯を食べた。その後、凜太郎君にはやく寝るように促され、いつもよりはやい時間に凜太郎君の部屋を出た。
それからやることを色々済ませ、時間は21時。あれだけ昼寝をしていて、今から寝れるだろうかとも思ったが、布団に入って数秒で睡魔が襲ってきた。
明日は居眠りをしないように、あわよくばそもそも眠たくならなければ良いなと思いながら、眠りについた。
「待っててね。
あと少し。
あと少しで迎えに行けるから。」
僕は朝、いつも通りの時間に起きた。昨日ははやく寝たので、睡眠時間はいつもより多い。これで居眠りしないはず、、、!
そう意気込んで身支度をする。
そういえば、夢を見たような気がする。けれど、内容はあまり覚えていない。まあ気にすることもないななんて考えながら、外へ出る。
外へ出たら、凜太郎君が僕の部屋の前に立っていた。もう準備終わってたんだと思いながら凜太郎君に声をかける。
『おはよう!今日ははやいね!』
「まーな。ところで晴明君。今日ちゃんと寝れたん?」
『うん!ぐっすりだったよ!』
「そう、ほなええわ。」
安心した様に顔を緩ませる凜太郎君。ずっと僕を心配してくれてたんだな。
僕は凜太郎君に感謝を述べ、一緒に百鬼学園へと向かった。
百鬼学園に着いてからは、みんなに体調は大丈夫かと聞かれた。特に何の異常も感じず、怠さもなかったので、僕は大丈夫だと返すばかりだった。
けれど、時間が刻刻と過ぎていくごとに、眠気は増していった。このままではまた寝てしまうと考え、急いで保健室へ向かった。
明「あ!安倍先生!どうしたんです?」
『なんか最近居眠りしちゃうことが多くて、、、。ちゃんと夜寝てるんですけどね、、、。』
「そうなんだ?ちょっと診てみようか!」
「うーん。特に異常は無かったよ。
病気に罹ってる訳でもないし、睡眠不足でもなさそうだし、、、。」
『そう、、、ですか、、、。
まあ、何も無いことが分かって良かったです!ありがと、、ござ、、、ました、、、』
「?安倍先生?」
やばっ、、、。また眠気が、、、。
寝ちゃだめだ、、、。
寝ちゃ、、、だめ、、、。
「安倍先生!!!」
『!!!!』
たかはし先生が大声で僕を呼んでくれて良かった。おかげで眠りにつきはしなかった。
けれど、一瞬力が抜けたみたいだ。その拍子で椅子から後ろに倒れそうだった僕を、たかはし先生は支えてくれた。
「、、、相当みたいだねー。
どうする?僕の特性注射、打ってあげようか?」
『そんなのあるんですか?!』
「うん!ついこの間作ったんだよ!今日の夕方過ぎまでは眠気覚めるだろうけど、どうする?!」
『じゃあ、お願いします、、、。』
「、、、、、うん!いいよー!」
(拒まないんだ、、、。いつもの安倍先生なら、打つより眠たい方がマシとか言うと思ったのに。
それほど困っているのか、、、。)
正直、たかはし先生の注射、ましてやついこの間出来たばっかりの新薬を打つくらいなら、眠気に襲われていた方がマシだと思っている。けれど、今はそうも言っていられないくらい酷く眠たい。授業中もたまに眠気でフラッとしてしまうし、職員室で自分のデスクに着いた瞬間には寝落ちている。仕事に影響出まくっている状況なので、たかはし先生の注射で収まるならそれで良い。
注射が終わり、たかはし先生が僕に手を振りながら言う。
「また何かあったらすぐ来てね!」
僕はたかはし先生に感謝を伝えながら保健室を出た。
たかはし先生の百目鬼の力でも分からないのか、、、。まあ、病気とかじゃなくて良かった。数日すれば治るものなのかもな。
職員室に戻り、みんなにたかはし先生に言われたことを話した。みんな不思議そうな顔をしていた。
『まあ、これからはもっとたくさん寝るようにしますよ!そしたらきっと治るでしょうし
!』
凜「もし治らへんかったら、相談してや?」
飯「たかはしの注射打つほどなんだな、、、。また何でも言えよ?」
学「明君にでも分からないんですね、、、。」
恵「授業中倒れないでよ?」
『あはは、、、。気を付けます、、、!』
それからの時間は、眠気は来なかった。たかはし先生が打ってくれた注射が効いたのだろう。また眠気が酷い日があったら、保健室へ行こう。
今日の分の仕事が終わったので、凜太郎君に声を掛けた。
『あとどれくらいで終わる?』
「あともうちょい〜っ!」
『分かった!頑張ってね!』
仕事をしている凜太郎君を横目で見ながら、眠気が襲ってこないことに感動していた。
「晴明君!仕事終わったで!」
『さっすが凜太郎君!じゃあ、帰ろっか!』
僕達はいつも通り一緒に帰った。今日は僕の部屋で一緒にご飯を食べた。凜太郎君は、またまた僕にはやく寝ることを促しながら自分の部屋へと戻っていった。
たかはし先生が打ってくれた注射の効果時間は大体夕方過ぎまで。
それよりも長く効いたが、凜太郎君が僕の部屋から去った途端に、どっと眠気が襲ってきた。
僕は何とかやるべきことを終わらせ、布団に倒れ込むように横になった。
眠たい、、、。
眠たい、、、、。
いくらでも寝れてしまいそうなほど、
眠たい。
『あれ、、、?』
体にひんやりとした感覚。
目を開けてみれば、いつもの部屋の天井は映し出されなかった。
その代わりに、
真っ暗で、真っ黒で、まるで闇とも思えるような空が広がっていた。
体を起こしてみると、辺りは薄暗く、床は透明で濁りの一切ない綺麗な水が、浅いまま永遠に広がっていた。
ピチャッ、、、。
ピチャッ、、、。
誰かがこっちへ来る。瞬間的に分かった。その証拠に、足音の代わりとなる水の音が、段々と大きくなっている。
ザバッ!!
僕は急いで立ち上がった。
僕は無意識のうちに後退りをして、近付いてくる何かに身構えるような体制を取った。
そして、それを笑う声が聞こえた。
「ふふっ。そんなに身構えなくてもいいのに。」
『、、、!』
この人。知ってる、、、。
修学旅行で、僕の魂がまだ完全に戻っていない時に、橋の上で出会った人。
うっすら、ぼんやり記憶がある。
『安倍、、、晴明公、、、
僕の、、、ご先祖さま、、、。』
祖「、、、当たりだよ。」
何でここに?そもそもここはどこ?なぜ今目の前に居る?
疑問が次から次へと浮き出てくる。
困惑しまくりの僕に、ご先祖さまは少しずつ近付いてくる。
ご先祖さまは僕の目の前でピタリと止まった。
そして、僕の腕を引っ張り僕を抱き締めた。
おかげで更に困惑した僕に、ご先祖さまはゆっくりと言葉を声に出す。
「大丈夫。大丈夫だよ。力を抜いて。」
その言葉で、僕は急に体の力が抜け、地面に膝を着いた。そんな僕に合わせて、ご先祖さまも膝を床に着け、再び僕のことを抱き締めた。
『こ、ここは、、、どこですか、、、?』
とりあえず、情報を得るために、僕の気持ちを整えるためにご先祖さまに問いかける。
「ここは、夢の中だよ。」
『夢の中、、、。』
そういえば、僕の最後の記憶は布団に倒れ込む記憶。ここが夢の中なら、地面に浅い水があるのも、壁が見えず永遠に空間が続いているのも、天井が真っ暗闇なのも、ご先祖さまが現れたのも理解出来る。
でも、こんなに現実味のあるものなのか、、、?
五感からの情報もしっかりと脳が処理している。それに、今この瞬間にも考え事が出来ている。
本当にこれが夢なのかと疑ってしまうほど、全てが鮮明に映り、感じる。
ごちゃごちゃと考え事をしていると、ご先祖さまの僕を抱き締める力が少し強まった。
「いくら考えても、意味無いよ。」
『え、、、?それって、どういう、、、?』
「、、、。」
『ぼ、僕はここから、、、。
夢から覚めることが出来るんですよね?!』
焦りが募る中、僕が今1番気になっている質問をした。
夢だから覚めるに決まってる。
そう思っている。
けれど、あまりの周りの景色の鮮明さに、感覚の鮮明さに、現実と見間違えてもおかしくないとも思える。
「、、、。」
ご先祖さまは答えてくれなかった。だから僕は、僕を抱き締めているご先祖さまの肩を掴み、引き離しながらもう一度、ご先祖さまに尋ねた。
『僕は現実に帰れるんですよね、、、?!』
「、、、。」
ご先祖さまは何も言わずに僕のことをジッと見つめ、意味ありげに少しだけ口角を上げた。
背筋が凍った。
ここは夢の中のはずなのに、覚めることが出来ないのだろうか。
もう現実に戻れないのだろうか。
もうみんなと会うことが出来ないのだろうか。
僕は下を向いた。冷たい水に足が浸かっている。そんな光景をぼんやりと眺めていたら、一筋の光が差し込んできた。
僕はハッとし前を見ると、壁なんてないはずの空間から、割れ目のようなものが出来ていた。そこから漏れ出ている光はとても眩しかった。
僕は、直感的に分かった。
あそこを通ったら、ここから抜け出すことが出来る。夢から覚めることが出来ると。
そして僕は、光が漏れ出ている割れ目へ一直線に走った。
水がバシャバシャと音を立てる。
水の重みで、何度も転んだが、僕は気にせずに無我夢中で走り続けた。
あとどれだけ離れているかも分からない光へ。ただただ一直線に走り続けた。
その時、
僕の視界が真っ暗になった。
割れ目から漏れ出ていた光が無くなった訳では無い。
目をつぶったわけでも、意識を失った訳でもない。
ご先祖さまに、、、
安倍晴明公に、手で目を覆い隠されたんだ、、、。
何で、、、僕は必死に走ったはずなのに、、、。
ご先祖さまとの距離はもう十分離れていると思っていた。なのになぜ、僕のすぐ後ろに居るんだ、、、?
手を振り払おうとしても、ご先祖さまの手はビクともしなかった。それでも無理やり走ろうとした。けれど、僕の両の手首はいつの間にかご先祖さまの片手で掴まれていた。まず解かないとなどと考えたが、やはりピクリとも動かなかった。
そして、ご先祖さまが僕の目に覆い被さっている手をゆっくりと退けていった。
僕はやっと退けてくれた!と思ったが、僕の目に映ったのは残酷な光景だった。
光が漏れ出ている割れ目が徐々に小さくなっていき、最終的に割れ目は塞がり無くなった。そのせいで、さっきまであったはずの光はなくなり、また薄暗い景色が僕の視界いっぱいに広がった。
『なん、、、、で、、、、』
僕は再び膝を地面につけた。
バシャンッ!!という大きな音を立てながら。
そして次は、ご先祖さまの方へ振り向き、睨むようにして言った。
『何でこんなこと、、、したんですか、、、!!!!!!
僕は、一刻も早く、、、
この夢から覚めたいのに、、、、!!!!』
「晴明。僕はね。君と一緒に居たいんだ。」
ぽかんとしている僕に、ご先祖さまは再び口を開く。
「さっきの割れ目は、晴明の予想通り、現実に戻るための道。夢から覚めるための道だったんだよ。
でも、その割れ目が塞がり無くなった今、もう晴明は夢から覚める手段を失ったんだ。」
『うそ、、、だ、、、、、。』
信じ難くて、信じたくなくて、僕は小さく首をフルフルと横に振る。
けれど、お構い無しにご先祖さまは話し続ける。
「嘘じゃないよ。
ここなら、誰にも邪魔されずに、晴明と2人きりで居れるんだ。
ずっと一緒に居よう。2人きりで。
永遠に。」
口元を裾で隠しながら語るご先祖さまに寒気がした。
そして、ご先祖さまに再び抱き締められた。優しく。そっと。
逃げようと思った。けど、もう無理なんだ。何をしても無駄。僕は一生、ここから抜け出せない。
僕はご先祖さまを抱き締め返した。
明視点
凜「晴明君、、、!起きてや、、、!」
飯「晴明、、、!」
『、、、。』
学「、、、。」
安倍先生は、もう10日も目覚めていない。
僕の妖術で確認した限り、病気ではなく、他の妖怪が関わっているという事もない。
本当にただ眠っているだけ。
色々試したけど、全て効果は無かった。
弍年参組の子達には、安倍先生は体調不良と伝えている。
けれど、お見舞いに行きたいと言う生徒が居り、それに断りをいれている事や、そろそろ日数的にも、体調不良で誤魔化せられなくなってきている。
勘の良い子達は、既に気付いていてもおかしくない。
神酒先生と秦中先生の様子を見れば、必然的に安倍先生に何かあったことは一目瞭然だろうけど。
2人は晴明君の寝顔を見る度に泣いている。そのせいで、翌日目は赤く腫れ、声はかすれ、喉に痛みを伴いながら授業をしている。
学園長先生は、、、。
あまり見ない方が良さそうと思って顔を覗くことはしていない。
みんなの顔を見ると、安倍先生がどれだけ大切にされてきたか分かる。まあ、僕もきっと、人にそんなこと言えないような表情をしているんだろうな。
お兄さん。
『はやく起きてよ。』
晴明視点
今、、、何か聞こえた気がする、、、。
ご先祖さま以外の声、、、、。
泣いている声。
掠れている声。
僕の名前を呼ぶ声。
僕に語りかける声が聞こえた気がする。
いや、気がするじゃない。
本当に聞こえた。
もしかしたら、みんなが居るのかな、、、。
僕はそんなことを思いながら、真っ暗な空に手を伸ばしてみる。
でも、何にも届かないまま、伸ばした手はご先祖さまに掴まれ、降ろされる。
「どうしたんだい?」
僕にそっと問いかける声。
優しい表情のはずなのに、どこか怖く感じる。機嫌を損ねてしまったみたいだ。
『いえ、何でもないです。』
僕は笑顔で返した。
「それなら良いのだけれど。」
ご先祖さまは、僕の腕を掴んでいた手を、僕の背中へまわした。
ふわっとした、優しいハグ。
そのはずなのに、こんなにも冷たい。
「永遠にここに居てね。晴明。」
『、、、はい。』
僕は引きつった笑顔で応えた。