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静まり返った寮の一室。月明かりがカーテンの隙間から漏れ、室内をぼんやりと照らしている。
「…いい子ね。おとなしくして」
ミッドナイト──香山睡の低く甘い声が、岳山優の耳元をくすぐった。
「……せ、先輩…っ」
優は反射的に身じろぎするが、睡の指先がすっと顎を持ち上げる。視線が絡み、息をのむ。普段の勝気な態度とは違い、今の優は完全に睡の手の中だった。
「ふふ、さっきまであんなに強気だったのに?」
睡の唇が近づく。優の鼓動が速くなるのが、自分でもわかった。
「……意地悪…」
「ええ、私は意地悪よ。だから、覚悟して?」
まるで蜘蛛が獲物を絡め取るように、睡は優の肩にそっと触れる。その指先は、まるで甘い罠のように優を縛りつけるものだった。
夜はまだ長い。
そして、睡の“お仕置き”は、まだ始まったばかりだった。