コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
[注意]本作品は15G+指定です。また、小説内に誤字脱字等あれば指摘をして頂けると嬉しい限りです。
日が沈んでいる0時頃、物音で僕は起きた。心電図モニターの音が聞こえて目覚めたのだろうか。それ以前に、何故か僕と朔葉お姉ちゃんは磔になっていた。朔葉お姉ちゃんは寝ていた。よく見ると僕と朔葉お姉ちゃんの太ももには注射が刺さっている。そして梓珠玖の事を思い出して、磔になっていた両腕と両足に付いている南京錠で繋がれた鎖を引っ張って壊し、注射針を抜いて寝室へと足音と気配を消して向かった。そして見た光景は、梓珠玖を治療している人が居た。僕達と同じくらいで、どうやら困っているようだ。今僕の足元にデンセレムドオキシドールという消毒薬があるのだがそれを探しているらしい。そして僕がその瓶を渡したら、その人は感謝したが、二度見して、点滴が付いた梓珠玖を守るような姿勢を取った。僕は「大丈夫です、僕は敵じゃないです。 」と言ったが信じて貰えず、護身用のナイフを向けてきた。そして押し倒され、ナイフを構えられた。そして真下に振り下ろされたが、間一髪で避けて一命を取り留めた。するとその音で梓珠玖が起きて、その状況を理解して、その人を止めてくれた。「やめて!この人は優しいの!」その人は梓珠玖の話を聞いて、徐々にナイフが下げられた。梓珠玖がナイフを取り上げて、その人の頭を1発叩いた。「まったく!もっと話を聞いてからっていう約束でしょ!」「申し訳ないです…」
梓珠玖は僕を見つけると、笑顔で紹介をしてくれた。「この子は沛來世栄。この見た目で男の子だけど、あまり気にしないでね。」「それはどういうことなんですか…?」僕は頷いて、自分の紹介もした。そして気づけば朝になっていた。どうやら世栄は所持している時計で時間を進めたり戻したり止めたりする事が出来るらしい。また梓珠玖は次元を生成・破壊出来る能力を持っているが、まだ未完成との事。世栄は梓珠玖と対照的に態度は小さく、ネガティブな子だった。
朝になって朔葉お姉ちゃんが普通に腕に破った鎖を付けて起きてきたので外して皆で朝食を摂ることにした。梓珠玖や世栄は初めて見る<目玉焼き>という料理に釘付けだった。でも名前を聞いたらすこし後ずさったけど…そりゃそっか。目玉焼きだもんね。そして梓珠玖が食べようと手を伸ばして、熱々の目玉焼きを掴んだ。もちろん熱いので、あちっ、という声を上げてまじまじと手を見つめた。朔葉お姉ちゃんが「熱かった?ごめんね笑」と笑いながらいうと、「笑い事じゃねぇよっ!」といういつもの口調が聞けた。世栄は箸の使い方を知っていたためちゃんと箸を使って梓珠玖とは違い火傷せずに食べることが出来た。梓珠玖は世栄の箸を持っている腕を引っ張り、自分の口に入れて欲しいというジャスチャーをした。世栄は困惑して言った。「ええっ…これは僕のですよ、梓珠玖さんは梓珠玖さんのを食べてください!」「私ははし…?っていうのが使えないんだもん!」「自分で学習してください!」「嫌だ!」兄弟喧嘩を見ているようでちょっとほっこりした。
僕が皿洗いをしている途中、リアーが家にやってきた。やんちゃで活発なリアーは梓珠玖と世栄を見た時、「誰だおまえー?」と問いかけた。梓珠玖はリアーに気づくも、皿を水に漬けながら無視した。リアーは首元を掴んで大声で言った。「おまえの!なまえは!なんですかぁぁ!!!??」うるせぇ。梓珠玖はうっとうしい言わんばかりの我慢している表情をしていた。すると朔葉お姉ちゃんが来て、リアーに向かって言った。「リアー、この子は人見知りなの。だからもうちょっと優しくしてあげて。」その隣で梓珠玖は小声で「違うーっ!私は人見知りなんかじゃなぁーいっ!」と手を振り回して朔葉お姉ちゃんの肩をポコポコ叩いた。リアーはその言葉を聞いても、梓珠玖の耳を引っ張り「口があるだろぉぉ!!!!話せぇぇぇ!!!!!」とでっかい声で放った。すると世栄がリアーの肩を掴み、180度回転させた。「梓珠玖さんの耳が聞こえなくなったらどうするんですか!うるさい奴は除外する事を命じられています!」とライフルの銃口をリアーの頭部に突きつけた。リアーは怯むこと無く、銃口を指で塞いで煽った。「撃てるものなら撃ってみなよ!」世栄はそのまま銃を引き、そのまま発砲した。そしてショットガンとは違うため、何発も発砲され、リアーの指はちぎれ空中を数秒漂い地面に落ちた。リアーはぽかーんとした顔で呟いた。「ありゃりゃ、ショットガンじゃあなかったか。」朔葉お姉ちゃんはリアーを持ち上げて叱った。リアーは反省する素振りが無かった。
リアーも帰り、昼に差し掛かった頃、フロントバースに向かうことにした。フロントバースでゴマたんに生体証明書を製作してもらわないと不法侵入という扱いになる。不法侵入で罰せられる場合、拷問を受ける事になる。当たり前だが不法侵入は立派な犯罪だからだ。なるべく早く製作しないといけない。その為世栄と梓珠玖には黒い布を被ってもらい、周りからバレないようにした。そして僕が梓珠玖を抱えて走る事にした。 抱えている時、梓珠玖の耳は少し赤かったような気がしたが…まあいいか。朔葉お姉ちゃんと僕は体力的に大丈夫だったが、300mくらい進んだところで世栄が体力の限界に達して歩けなくなり地べたに尻もちを着いた。朔葉お姉ちゃんに梓珠玖を任せて、僕が世栄を担ぐ事にした。世栄は限界そうな声で「はぁ…はぁ…本当にっ…申し訳…ないです…んはぁ…」と謝ってきたが、それ以前にまず体力をもっとつけて欲しいなぁって気持ちが勝った。フロントバースまで14kmある。急ぐ必要はないのだけど、なるべくは急いだ方がいい。バレてしまえばなにがあるか分からない。
フロントバースに到着し、世栄はそのまま降りたが、朔葉お姉ちゃんが梓珠玖を降ろす時、まさか寝てるとは思わないじゃん。だからそのままにしてそしてフロントバースの最奥目指して進んだ。
まず一階のカフェエリアでは寿々が居て、寿々はこちらの黒い布が気になって仕方がないらしい。世栄は僕のカバンのように背中に張り付いて居たため、バレなかったが、梓珠玖はバレる。黒い布を抱えているのは流石に誤魔化せなかった。寿々は黒い布を取ろうとしたが、朔葉お姉ちゃんは全力で拒んだ。寿々は諦めて、カフェオレを渡してくれた。寿々には申し訳ないけど、今は急いでいるんだ。ごめんね。
次は二〜六階。どうしてこんな飛ぶかというと、尺の関係とかではなく、二階から六階は学校のように、廊下に扉が沢山ある通路な為、あまり説明がいらないかと思ったからだ。でも五階でメズリアと出会った時は、「重そうだね…!持ってあげようか?」と親切な事を考えてくれていたが、それも丁寧に断って七階に向かった。
七階に着いたら、僕4人分はある扉が廊下の奥にあった。ここはフロントバース最奥室。この扉を開けば、ゴマたんがいる。僕は固唾を呑んで、ゆっくり、朔葉お姉ちゃんと手を合わせながら扉をノックした。1、2、3、と3回。そして「どうぞ。」という声が中から聞こえてきたので扉を左右ほぼ対称に開いた。すると中に居たゴマたんが椅子を回して僕達と目を合わせた。