~1時間後~
警察が来るから早く逃げろと言われて、取り敢えず家に帰ってきた。今思い返せば信じられないけど、腕についた手錠の跡が夢ではないと証明している。
そう言えば、普段この時間には帰ってきているはずの両親がいない。
ヤクザたちに何かされたりして…
そんな空想が脳裏をよぎり、心配になって手渡された阿部の連絡先に電話をかけた。
💚「もしもし」
💜「あ!もしもし!阿部さんですか!?あの、うちの親が帰ってこなくて、まさかとは思うけど、さっきの奴らに、やられたりとかしてないですよね?」
平静を保てない俺に、阿部が冷淡な口調で伝えた。
💚「一旦落ち着け。お前の母親と父親は俺達のボスが一時的に保護している。お前の命が狙われている現状、家に帰すわけにもいかない。」
目を見張る俺に、阿部が続けた。
💚「だから、お前の両親には事情を話して安全な地区へ居住してもらうことになった。了承は得てあるから安心しろ」
💜「なんだ、無事なら良かった…」
安堵して一息ついた俺に、阿部が突拍子もないことを言い出した。
💚「お前が危険な立場にいることは変わらない。だから、ボディーガードとして俺達8人が共同生活でお前を24時間警護することになった」
💜「…へ??」
電話の向こうにいたはずの阿部が姿を現した。他のメンバーもいつの間にか立っている。家には鍵がかかっているし、何の気配もしなかったのに。
狼狽えている俺に、阿部が笑みを浮かべて静かに言った。
💚「じゃあ、今日からよろしくな」
初めて見る阿部の笑顔は不敵で、それでいてどこか寂しげで頼もしかった。
次回に続きます!
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