第2話
4月のこと
クラスに居るのが怖い……
学校に行くのが怖い……
学校のことを考えるだけで涙が出てきて止まらない……
クラスに居ても居場所がないし……
みんなが俺の悪口を言っているような気がする……
そんな時隣の席の男子が話しかけてきた
「は、初めまして大神りうらです……」
「あ…は、初めまして……」
これが今学期初めて出した声かもしれない
“場面沈黙症”
軽度だが俺はこの病気に苦しめられている
緊張すると声が出なくなる
酷い時は苦しくなってうずくまって泣いてしまう
でもなぜだかりうらには緊張しなかった
数週間後
りうらとかなり仲良くなった
お互いの趣味や休日の過ごし方など様々なことを解き明かした
「なんで俺なんかに話しかけてくれたの?」
「俺さ陰キャだからクラスのノリとか無理だし、空気読めないからいつも怒られるんだよね……」
「うそ!?見えない……」
「でもさ、ないくんって俺と同類っぽいなってww」
「ねぇそれ悪口www」
「悪口は俺に失礼だろww」
「確かにww」
こんな他愛のない話をしているうちに俺はどんどんりうらのことが
”好きになって行った”
でも俺はこの気持ちを信じたくなかった
男が男に恋をする
きっと笑われるだろう
きっと引かれるだろう
だから俺はこの気持ちを封じ込めた
ゴールデンウィークの3日前
「ないく〜んゴールデンウィーク遊ぼぉ」
「またマクド?w」
「なぜバレた……」
「いやだってふるポテの時期だし……」
「超能力者なの?」
「違うわwww」
デート……?
いや、こう考えるのはやめよう……
自分の首を絞めるだけだ
ただゴールデンウィークがとても楽しみになった
遊びに行く日当日
楽しみすぎて寝れなかった……
ただ全く眠くない……
りうらと遊ぶからか……
「ちょっと遅れたぁごめぇん!」
「全然待ってないよ!俺も来たとこだし!」
「ありがとぉ!」
「んじゃあ行く?」
「行こぉ!!!!」
いつもより張り切っているりうらを見てこっちまで元気になった
マクド到着
「わぁ✨️」
目を輝かせてメニューを見つめるりうらがとても可愛くて愛しくなった
でもそんなこと考えたらもっと好きになってしまう……
俺はこの気持ちを抑えることが出来なくて初めて自分の気持ちに自覚するようになった……
というかせざるおえなくなった……
「えぇ!やっぱり無難にしゅうゆバターかな!?」
「俺はそーだな……」
「チーズとかぁ!」
「テンション高いねww」
「あったりまえじゃん!」
「しょうゆバターにしよぉ」
「美味しそう……」
「一緒に食べる?」
「いいの!?」
「ないくんも楽しみにしてたんだww」
「まぁ……//」
恥ずかしながら楽しみすぎて今日一睡もしてない……
まぁそんなこと言えないけど
「ないくんハイッ!(´∩ω・`*)っ(´□`*)アーン」
「え!?(´□`*)アーン」
「美味しい?✨️」
「う、うん……//」
こんなドキドキしたの……初めてかも……
りうらと過した一日は俺にとって最高の宝物になった
りうらのことを好きになってから学校が苦じゃなくなった
そして俺を長い間苦しめた場面沈黙症がかなりましになりほぼ完治とお医者さんに言われた
これはりうらのおかげと言っても過言ではないだろう
りうらは俺にとって命の恩人でもあり俺の
“生きがい”となった
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