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「 ただいま ~ … 」
プリントの配布がやっと終わった
「 … 」
足下に散りばめては拾って整える
この作業を何回したことだろうか
私服に着替えて背伸びをする
「 …… 佐久間 … 」
あのピンク髪の子が頭から離れない
「 …… 何考えてんだろ 俺 … 笑 」
一気に頬や体がぶわっと熱くなった気がする
「 …はぁ ( 溜息 」
ストンとベッドに座り デカいイルカのぬいぐるみをぎゅっと抱き締める
「 俺が恋なんか … するもんか 」
晩ご飯までの時間はまだ残っている
寝れば 忘れるだろう
一週間後
俺は 周りの生徒を一瞬とも気にしなかった
何故なら ストレス発散法があるからだ
それをすれば 汚れた水を入れ替えた気分になれるからだ
ベランダに出て 大きく 息を吸ったり吐いたりするのは とても清々しい
ただ その度に目にホコリが入るのは勘違いかもだし 運が悪いだけかもしれない
今日は 朝からゲリラ豪雨だ
雷や風は止んだが 雨がとても酷い
放課後 人気が無くなった教室で机に頬杖をつき 窓の外を見る
「 ……雨 も優しい時は優しいよな … 」
「 俺の味方をしてくれてんのかな … 」
なんて 馬鹿げた独り言を 溜息と一緒に言う
「 なんだ 照 珍しいな 」
「 こんな雨の日に 黄昏れてんの ? 」
「 …… 別にそんなんじゃ … 」
「 まぁ 人間って たまにはセンチメンタルにならないといけないときがあるよな 」
「 … 」
「 ここで一句 」
「 暴風雨 雷落ちれば 木が折れる 」
「 ふはっ 何それ 笑 」
いつも明るいふっかが こんな事を言うのは 珍しいから笑ってしまった
「 やっと笑ったな 照 」
彼は子供をあやす親みたいに俺の両頬をつまんだ
彼が優しく笑う表情を見せたとき俺は泣きそうだった
「 … 今日は 泣け 」
「 …… え 、 ? 」
「 辛いんでしょ ? 」
「 … 」
「 …… なんつって … いつも明るいもんな ! 照 … 」
「 そうだよ あれだけで折れたりはしないよ 大丈夫 」
いつも通りの笑顔で答えた
「 … そう ( 微笑 俺 先帰るね 」
「 うん 」
彼の後ろ姿を見ていると教室のドアで止まった
「 俺 照のこと 好きなのに … 」
大荒れの雨の音は全く気にしなかった
その言葉だけがはっきり聞こえたのだから
「 ふっか … 今 なんて … 」
その瞬間 グラウンドに生えているクスノキに雷が落ちた
学校一太くてきっと年輪が多いであろうこの学校の大黒柱の木は折れなかった
「 ううん 何でもない 」
満面の笑みで振り返った彼の目は涙目だった
もう一回 雷が落ちた
今日の天気はふっかに味方しているのか ?
“ 泣いた分だけ人は強くなれる ” という歌詞をどこかで聞いたことがある
ふっかがさっき言ったようものとは逆に自分の強さを教えてくれたのだろう
“ 雨垂れ石を穿つ ” という言葉のように
自分の心を 自分の気持ちを 壊しているようだった
ふっかの心が壊れる前に 手を伸ばしてやりたかった
「 それよりさ ~ 俺 雷 怖いんだけど !! 」
「 … え ? 」
「 だ ~ か ~ ら 」
「 帰り道 同じだろ 一緒に 帰ろ ! 」
いつものふっかの明るさが戻った
「 おお そうだな ( 微笑 」
明日は 晴れると いいな