〜1〜
日の色が、桃色に変化しようとした時八咫丸を呼びに行った。「観光は楽しかったか?俺はいい出会いができた。」
「八咫丸、あそこの串焼きってさ何肉なの?」
「あそこか、多分銀狼か銀鬼の肉だろうな。二人から、結構獣臭さがする。」
「星菜、今日の夜は果実を食べよう。」
「ああ、そうするか。」
「要するに、口臭が気になって仕方がないってことだな。」
こいつ、俺達の感情を読めるのか?図星なんですけど。
「図星って顔してるぞ。どうやら、当たったようだね。」
〜2〜
「おかえり、皆。国は気に入ってくれたかい?あと、ペンダントを返しけれないか?」
「すごく気に入りました。ペンダントありがとうございます。」
「フリードって言ってたっけ?この国は、銀狼と銀鬼の肉の販売は許可してるのかい?」
「まさか、そんな野蛮で獣臭い物は許可して無いね。どっかで売ってたのか?」
「まあな、クーラ商店街の銀脂っていう串焼き屋から臭いがしてね。」
「明日、部下たちに取り調べを行ってもらうよ。さあ、晩御飯にしよう。今日は、コオルシチューだ。」
「晩御飯まで、用意してもらってありがとうございます。おいしいです!」
「それは、良かった。沢山あるからたんとお食べ!で、ペットの君にはシベリハスキの実だ。好物は聞いてるんでな。」
「俺、ペットではないけどありがとな。」
俺達は、フリードさんと城の兵士達とテーブルを囲み晩御飯を食べていた。
「敵襲だーーっ!ヘルニア軍が、城門前の道に武装して迫っています。」
門番と思われる一人の兵士が、息を切らしてここまでやってきていた。
「一番から四番隊は、近接!五番から八番隊は、援護の準備を!」
「はっ!」
テーブルを囲んでいた兵士達は、皆準備をするため下の方へ走って行った。
「くそっ!あいつらの準備は最低でも15分はかかる。足止めなんかできるわけがない。」
15分の足止めか。俺達ならできるかもな。
「晴夏、今すぐ応戦するぞ。」
「うん、分かった!」
「ちょっと待て!お前達には任せられない。ここで待ってろ。」
「いえ!俺達は、今日一日この城の人にお世話になりました。その恩を、今ここで返します。」
「ったく、しょうがねえな。あ、星菜いい加減その刀形変えたらどうだ?」
「え?」
「あんたらの、武器は想像さえすればどんなものにも変化するんだろ。で、ヒルデさんから聞いた話だと心の奥底の裏の自分より強く想像すればいい。」
「天才ですか?」
そう言うと、晴夏とフリードさんがため息をつきながら満更でもなさそうな顔をしている。知ってるなら、早く伝えてくれよ。裏の自分より強く想像する。皆を守る、最高の武器になれ!
「星菜、いい色になったよ。さ、行こっか。この城と国の人々を守るために。」
俺が握っていたのは、橙色の柄、金獅子の頭の石突。
「これが、俺の皆を守る最高の武器。頼むぜ、獅橙!」
「良い色だよ、星菜。私も、やろうかな。痺れる思いと轟く声!私を支える武器となれ!」
光に包まれて、元々の杖とは大きな違いだ。雷のような形の柄。
「2人とも、良い色だ。すぐに向かってくれ!私たちも後から応戦する!」
「はい!」
俺達は、返事をして玄関の方へ走って行った。
〜3〜
「いた!星菜、私が援護するから、突っ込んでってくれる?」
「ああ、わかった!」
俺は、玄関前の階段でジャンプしヘルニア兵達に、槍を向け突っ込んだ。300人ぐらいだろうか。全体的に攻撃を分散させて、隊列を崩してみるか。
「『乱槍突』。なっ!嘘だろ?」
槍を、隊列に向け連続で突ついても、傷一つ付かなかった。
「『グリーム・グラント』。今、星菜は光の速度で動けるはず!もう一度、攻撃を!」
晴夏の呪文の効果が現れたのだろうか。体全体が、金色のオーラを纏っている。
「わかった、ありがとな晴夏!『乱槍光突』!」
攻撃しても、傷一つ付かなかった兵士に、槍が貫いた。攻撃したあと、ようやく俺の存在に気付いたのか、先頭周辺にいた兵士たちが、剣を抜き円形を作って構えを見せた。
「やっと、気付いたか。オークども。『乱槍光舞』!」
槍の柄を持ち、光の速度で舞うように、兵士達を蹴散らしていった。
「ちょっと、星菜!あんま暴れないで!狙いが定まらないよ!」
「ここは、俺が相手する!だから、奥の方を足止めしてくれ!」
俺の思いが伝わったのか、晴夏は俺の方より奥の方に狙いを定てた。
「『雷光砲』よし、当たった!」
「星菜!なにしてんだ!俺の髪かすったぞ!」
「仕方ないじゃん!星菜動くんだもん!」
「馬鹿な、喧嘩してないでさっさっと手動かしなって思ったら、もう終わってんじゃん。さ、帰るよ。明日は早いんだ。」
「フリードさん。兵士のおっちゃんたちは?」
「あいつらなら、もう寝てるよ。準備して、行くかってなったらもういかったなしね。」
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