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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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{カゲチヨとヒサメが抱き合ってから数分…}

「…わりぃ、ヒサメ。ずっと抱きしめちまって…」

「カゲ?」

「え?」

「あ、れ?何でだろっ、急にカゲ、って出てきて…っ」

いつも、「カゲチヨ君」って呼んでたはずなのに…

急に「カゲ」なんて…どうしたんだろう…私。

「ご、ごめんっ。迷惑だよね?やめるね…」

「いや、やめなくていい」

「…ヒサ」

「え?」

「あ、いや、これは…!」

急に「ヒサ」なんて言葉が出てきちまった…

どうしたんだ俺…

「…ふふっ

同じだね?」

「!…だな」

ヒサメが笑う。

まるで、子供のように

無邪気に_

そんな笑顔に、俺はちょっと、いや、かなり

ドキッとしてしまった。

そして、

やっぱり俺にはこの人しかいないんだな、と痛感する。

___________________

電車が駅につき会社へ歩き出す。

歩いている時カゲとは他愛のない話をした。

今日雨予報だ、とか

今日定時で帰れそう、だとか

そんな、誰とでも出来るような会話が、

カゲとだと私はすごく楽しいんだ。

カゲと話してると、懐かしい、というか

安心する。

好き_

そんな事を話しているとすぐに会社についた。

カゲといると時間があっという間だなぁ

なんてことを考えていると

「なあヒサ」

「何?」

「その…今日…一緒に帰れねぇか?」

「えっ⁉︎///」

正直、すっっっごく嬉しい…!

でも…なんて言おう‼︎

「あ、いや、嫌ならいいんだ。」

「⁉︎いや!是非‼︎一緒に帰ろっ‼︎///」

「!よかった。じゃあLINE交換しようぜ。

個人のスマホで」

「!うんっ!」

やったぁ!カゲの個人LINEゲット!これから仕事以外でも連絡できるんだ…!

「ふふっ♪」

「あ、ちなみに彼氏は…」

「居ないよ!」

「あ、よかった笑笑…ア”っ///」

「え?///」

なんでそんなこと聞いたんだろ…

もしかしたら…

…そうだったらいいな。

___________________

〈カゲチヨ〉

「今日…一緒に帰れねぇか?」

よく言った俺…!

これで断られなきゃ…

「是非!一緒に帰ろっ‼︎///」

よし!

次は…

「LINE交換しようぜ。」

「うんっ!」

よっしゃ。ヒサの個人LINEゲット!

これで…ようやく告白出来る…。

長かったなぁ、

好きになってから…ヒィ フゥミィ…4年か。

ほんと、長かったなぁ

『今日からこの職場で働かせていただきます。ヒサメです!』

『早く一人前になって、皆さんの様になりたいです!よろしくお願い致します!』

パチパチパチ

『カゲチヨ、です。早くこの会社の一員になりたいです…。』

パチパチ

『カゲ…君、カゲチヨ君!』

『あ?』

『あぁヒサメさんか…これからよろしく、』

『よろしくね!カゲチヨ君!

同じ新人同士、仲良くしましょ!』

『あ!私、ヒサメでいいよ!』

『、嗚呼よろしく…ヒサメ』

『うんっ!』

可愛かったな__

新入社員の時から一際目立っていた。

その特徴的なツノもそうだが、何か目を引くものがあった。

それに、俺だけかもしれねぇけど…何か、懐かしかったんだ。

今思うと、もう既に気になっていたのかもしれない。

___________________


___________________

仕事も終わり、ちょうど2人がLINEをしていた。

「今日は誘ってくれてありがとう!」

「いや、此方こそ」

「ところで…カゲは何処にいるの?」

「私はロビーに居たらいいかな?」

「もうちょいで仕事終わるから、ロビー居てくれ」

「わかった」

カゲ…まだかなぁ

今日…は一緒に帰るだけなのかなぁ。

ご飯、一緒に食べたりしたいなぁ。

「…ヒサ!」

「カゲ…!」

「仕事お疲れさん」

「カゲもお仕事お疲れ様!」

「じゃあ、行くか」

「うん…」

___________________

ヒサと合流し、会社を出て、歩き出す。

しばらくの間無言が続いたが、俺は意を決して

「なぁ、ヒサ」

「ん?」

「今日…夜ご飯とか、決まってるか?」

「え、いや!決まってないよ‼︎」

決まってないのか…

じゃあ、誘ってもいい、よな?

「じゃあ、一緒に夜…飯食べねぇか?」

「え、いいの⁉︎」

「ヒサが良ければ…///」

「嬉しい。…あっ///」

「…///」

LINEゲット、一緒に帰る、夜飯一緒…

もう…いいよな。

「ヒサは何が食べたいとかあるか?」

「うーん、今日はお酒が呑みたい気分かも」

「じゃあ、…俺の家…来るか?」

「え”、ぇぇぇ⁉︎///」

ア”ぁぁあ…⁉︎言っちまった!絶対引かれた!

「い、いいの⁉︎」

⁉︎いいのか…?期待してもいいのか⁉︎

「ま、まぁヒサが良ければ…だけど///」

「行きたい!カゲの家‼︎あ、///」

「///じゃあつまみとか買って帰ろーぜ」

「///うん」

___________________

カゲとコンビニで買い物した後、カゲの家にお邪魔した。

「ただいま〜」

「お、お邪魔しま〜す、」

(わぁぁぁぁ〜‼︎⁉︎///

カ、カゲの家にお邪魔しちゃってるよ‼︎夢みたい…

「そこ、テキトーに荷物置いといてくれ」

「う、うんっ‼︎」

(…カゲの部屋…

チラチラ

カゲの匂いがする…好き、

「…」 キョロキョロ

「…何だよ?何かあったか?」

「あ、いや…カゲの部屋ってこんな感じなんだなぁって」

「…散らかってるけど大丈夫か?」

「うん。…なんか懐かしいなぁカゲの部屋。」

「…へ?」

「あ!へ、変な意味じゃないよ⁉︎」

「私カゲの家来たことないし‼︎」

「笑笑、そんなに焦んなくてもわかってるよ。」 (微笑む

「!…///」

ドキッ

ってしちゃったなぁ、やっぱり、私はカゲの笑った顔が好きなんだ。

あの時みたいな

『はぁぁぁー、

また、失敗しちゃった…

やっぱ…私ってダメな人なのかなぁ』

『そんな事ねぇーよ。』

『え?』

『俺は、ヒサメはダメな人間なんかじゃねーと思う…!』

『ヒサメは1回2回のミスだろ?俺なんか何十回もミスしてるからもうため息なんて出ねぇよ!』

『カゲチヨ君…』

『ただ…失敗は成功のもとって言うだろ?

それみたいに、1回の失敗は自分の1回の成長に繋がってるって俺は思うんだ。

だからヒサメはもう2回も成長してる。

自分が失敗することで、何か成長する…

そう思えばいいんじゃねぇの?』

『!…そう言ってもらえると嬉しいな。』

『まぁでも俺は1個も成長なんてしてねーけどな!』 ニコッ

『!…』

『そんな事ないよ。カゲチヨ君も、何かしら成長してると思うよ』 ニコッ

『そう言ってくれると嬉しいわ笑』

あの時…カゲは自分が何も成長してない。なんて言ってたけど、カゲは絶対成長してると思う。

だって最初はただの同僚としか思ってなかった私の心を、一瞬にして変えてくれちゃったのだから

やっぱり…好きな人の効果。って凄いんだなぁ

___________________

今、ヒサと2人っきりでお酒を呑んでいる。

告白するなら、今なんじゃないか…。

「なぁ、ヒサメ」

「はぃ⁉︎な、何⁉︎///」

「あの、そのっ、///」

一世一代の片想い…ここで実らせて見せる。

「あ、あっ…えと、///」

ア”ぁ、なんで言えねぇんだ!俺!

ヒサだって困ってんじゃねーか!早く言わねーと!

「…カゲ。聞いて」

「ぁア”?」

「…私。カゲといると、なんか懐かしいんだ」

「…ぇ?」

「なんか、懐かしい、というか。安心するっていうか。」

「…俺も」

「ぇ?」

「俺も。ヒサと話してると安心するっていうか、懐かしいんだ。」

「カゲもだったんだ…。

…カゲ」

「好き。」

「!」

…今こそ…だよな

「俺も好き」




俺たちはそっと口付けを交わした。





___________________


好きって言えたわけだけど、ヒサも俺と同じで“懐かしい”って思ってたことがわかった。

だけど、

「ヒサは…思い出したいか?

俺たちが感じていた“懐かしい”を」

「…正直。

なんで懐かしいって思ってたのかはなんとなくわかってるんだ。」

「…俺も」

「それをもっと口に出せるまで、カゲと過去の“懐かしい”以上の沢山の思い出を作っていきたいな。」

「!…俺も。」

きっとこの懐かしいは、過去の俺たちの

好き

の気持ちなんだろうな。

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コメント

7

ユーザー

最高すぎる…天才ですか?

ユーザー

グハッてぇてぇ…_| ̄|○

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