…この世界は能力至上主義だ。
能力が強力である程、殺人免除等の「恩恵」が受けられる。俺は転生者だ
元の世界は能力なんてないし、誰であっても殺人をしたら捕まる世界。偶に、これは自分の妄想じゃないか?と思考してしまう時がある。
そんなわけがない。と思っても…
こんな狂った世界に居るなら、そうなってしまっても仕方がない。
転生者、つまり過去の記憶が有るなら尚更だ。
「ハァ…」
俺はため息をつく。今は昼休みだ。至福…
それに反応するように
この世界の親友「神薙凌磨」が俺に話しかける。
「お?ため息なんてついてどうしたんだよ」
「いちいち反応すんなの気持ち悪い」
「お?何だ?やるか?」
「fuck you」
「冗談だよ。」
と、実に悲しく、実に生産性のない会話を凌磨とする。
「 何か騒がしくないか??」
※此処から語り手を主人公から
???へ引き継ぎます。
「…言われてみれば、そうだな」
ワラワラと賑わう生徒達の中に入り、何が起こっているのか確認する。
校庭のど真ん中にはフードを被りマスクを着用、サングラスに黒尽くめの服装と、如何にもテロリストという服装をしていた。
校庭には教師陣が倒れ伏していた。体の中心部から血を流している。恐らくだが、殆どは死亡しているだろう。
「…はっ??!」
何より驚いたのは最高級の能力を持つ教師もその類に居たからだ。
彼なら「100人の軍人数秒も経たずに制圧」している。そんな能力を持つ彼が倒れ、血を流し、三分の一頭蓋骨が無くなっている。その上テロリスト3人にはかすり傷はおろか、傷一つ無い。 その事実は生徒等を深い深い絶望へ叩き落とした。そして、指を差し手招きをする。その相手は
周りにいる生徒ばの目の色が変わる。もしかしたら差し出せば生き残れるのでは?
淡く、掴んだらボロボロへなりそうな希望を考える。察した神薙凌磨は手を掴み、主人公の手を掴み、走り屋上へ連れて行く。理解するのに数秒掛かった主人公の脳は理解した。捕まったら終わりだ。その事実に
だからこそ自身の足で走った。神薙凌磨は知っている。主人公の足が誰よりも速いことを、だからこそ手を離した。
途中、何度も何度も捕まりそうになるが神薙凌磨の能力で妨害し、足止めする。屋上の扉が見え、開ける。
次の瞬間、何が宙を舞う、それは
彼の首を飛ばしたのは
「対物ライフル」
……景色が遅く見える。
(俺は此処で死ぬのか、こんなところで)目を動かせば、屋上の隅っこに対物ライフルを構えるテロリスト
(…そうか、俺はアレに撃ち抜かれたのか…まぁ、凌磨と親友だった事自体に喜ぶべきだよな)そうして、彼は目を瞑る。
彼は目を開ける。最初に目に写ったのは、森だった。
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