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1分。2分。3分。
遅い…。さすがに怖くなってきた紗奈は焦る。
(やっぱり送らなきゃ良かった。告白ってものは自分で考えるものだよね…。)
消そうかと思ったが、もう既読が着いてしまってる。ダメだ、なんでもっと考えなかったのだろうと反省する。
ブブッ
心臓は飛び出そうなくらい振動している。もしや怒られてしまうのでは無いか。
そうっとスマホを覗き、返信内容を見る。
【まじで????】
時間をかけた割には簡潔な内容であり、一気に安心する。
【ホントだよ!】
【まじか…。ごめん、1人でめっちゃ喚いてて返信遅くなった。】
なんだ、そんなことかと胸を撫で下ろした。
【で、どうすんの?めっちゃ気になる。そもそもどう思ってんの??どんな感じで告白してきたん???】
一気に送られてきたメールの量に驚きつつ、一つ一つ返す。
【ふーん。まあ大体の流れは分かったけど、まだ返事は考えてないんだ。】
【うん。でも、3日で考えてきてって言われちゃったんだよね。 】
【結構短いじゃん!じっくり考える時間くらいくれてくりゃあ良いのに。】
うんうんと同意して、やっぱり相談する相手は瑠璃でよかったと感じる。
【紗奈、明日また詳しく聞かせてくれない?】
【分かった!】スタンプ送信。
またぽふっと枕に顔を埋めた。たしかに今まで告白されることも多々あった。でも今日の場合は急すぎた。あたかも仲良くしていた後輩から。
「別に…そういう関係になりたいんじゃなくて…。」
独り言をつぶやく。だいたいの告白はすぐに断ってきたが、今回は別だ。仲のいい後輩なわけだし、部活内で気まずい雰囲気になりたくない。
「どーしよ…。」
不安なことが次々と浮かんでくる。
(もしかしたらこんなことも考えて告白してきたのかもしれない…。いや、さすがに自意識過剰か。うん、明日また瑠璃に聞こう。瑠璃なら何か助言してくれるかも。)
その日は直ぐにお風呂に入り、寝ることにした。
(深く考えない方がいいこともあるし。)
ゆっくりとまぶたを閉じ、布団を被った。なぜか今日は、足が火照っている気がする。