注意
今回は前回の様な重いお話では
ありません。
作者が日帝でふざけ倒した
ものとなります。
地雷の方はご注意。
R-18無しです。
リクエストしたい方はお気軽に
どうぞ。
では本編!
数日前、にゃぽんに言われたことがある。
『日帝ってさ、セーラー服似合うんじゃない?』
…唐突だった。
『ふざけるのも大概にしろ、私は
誇り高き大日本帝国陸軍!!
そして日本男児だ!!!』
…と、その時は言い返したのだが。
「…………」
今、にゃぽんは台湾と外に出ていて
居ない。
空も海も、二人で昼ご飯を食べに
行っているから居ない。
日本は相変わらずのブラック企業勤めで
今日も元気にエナドリ5本目に突入
している頃合いだろうから居ない。
つまり、今家に居るのは私だけだ。
「…と、何をしているんだ私は…
にゃぽんにこの紙袋をただ
突き返すだけだろう…
なんで中身広げてるんだ…」
にゃぽんに『絶対似合うから!』と
押し付けられた紙袋。
勿論中身はセーラー服。
そう。私は、にゃぽんが
延々と着続けている
【セーラー服】とやらに、少々
興味があったのだ。
日本男児としてなんて情けない
煩悩だろうか。
「…誰も居ないよな…」
きょろきょろと部屋を見回し、
念のため廊下にひょっこりと
顔を出して確認してみるも
人っ子一人として影は見えない。
安心して部屋の扉を閉め、私は
軍服を脱いだ。
「一瞬着て、すぐ脱いで、
にゃぽんに返せば良いだろ…」
数分後。
「……スースーするんだが…」
セーラー服を身にまとい、私は
鏡の前に立っていた。
鎖骨の辺りが空いているせいで
いつも軍服の下にある肌は
スースーするし、スカートも
なぜかやけに短いから足も
風通しが良すぎて逆に
気持ち悪い。
「…うぅ、早く脱ごう…
やって後悔の方がまだ
良いからこれも良い体験だったと
思って……」
そう思ってセーラー服に手を
かけたその時。
バァンと自室の扉が開いた。
「たっだいま~陸ッ!!」
「ただいま、陸。玄関で呼んでも
来ないから来た…って…」
「「…え?」」
…扉の前に居たのは、
私の弟にあたる空と海だった。
弟たちからすれば、帰ってきて
兄に挨拶しに兄の部屋へと
入ったらそこにはセーラーを
今に脱ごうとしている兄の姿…
…
ただの地獄絵図だ。
「うっわぁぁぁごめんなさい陸!!」
「あぁぁぁ、き、着替え終わったら
呼んでくれ!!!!!」
弟たちは叫びながらバタバタと
走り去って行った。
私はセーラーに手を掛けた
状態のまま固まって、ただ目を
見開くことしかできなかった。
「…………」
「……終わった……」
と、呟きながら。
「……」
「………」
「…………」
リビングへと戻ってくれば、
そこには無言で姿勢よく
ソファに座る二人の姿。
私は無言で麦茶を3人分注ぎ、
弟たちの正面へと座った。
勿論きちんと着替え直し、今は
陸軍の軍服姿だ。
「……ごめん、陸…」
「…な、何がだ…?」
「…僕、ずっと勘違いしてた…
まさか、陸が…」
空のこの言い方に、俺は一気に
血の気が引いていくのを感じた。
誇り高き大日本帝国陸軍が
セーラーなどを着ている場面を
目撃し、落胆しない方がおかしい。
嗚呼、兄としての威厳も
ここまでか。
そう思っていたその時。
「まさか陸がッ、女装好きとは
知らなかったッ!!!」
「………は?」
空の突然の嬉々とした声色に、
私は思わず麦茶のグラスを
落としそうになった。
「ど、どこからそういう…?」
「え、だってセーラー着てたじゃん。
しかもめっちゃ似合ってたし」
空がさも当たり前かのような表情で
言うと、その隣で海もうんうんと
頷いている。
これはまずい、どこかですごく
危険な勘違いを二人はしている。
「いや、あれはにゃぽんに
押し付けられたから着ただけで
あって、決して私が女装が好きとか
そういうわけじゃ…!!!」
「嗚呼うん、もう隠さなくて良いよ
陸!セーラーは着てたし、次は
何が良いと思う?海」
「セーラーは女装の定番中の
定番だしな。次は巫女とかどうだ」
「あっ、それアリ!
じゃあ陸、次はそれよろしくね♪」
「ちょっ、待っ……」
私は必死に否定しようとしたが、
でも…
(…目の前でこんなに嬉しがられて
しまうと、断りづらいな…)
ただでさえ二人は今は空挺団と
海上自衛隊の指揮を担っている。
とかいう私も一応陸上自衛隊の
指揮を担っているのだが、
こういう職種柄あまりこれといった
趣味などは作れない。
そんな二人が久しぶりに喜ぶ事案が
ただ私の女装だったというだけ…
この二人から笑顔を奪うのは、
兄としてとても悲しいこと。
私は自分の恥辱と弟たちの笑顔とを
天秤にかけ、そして一瞬で弟たちの
笑顔の方が重要だと悟った。
「………わかったよ……」
諦めたように言うと。
「えっ、本当ッ!?
やったー!!!!」
「…うん、久しぶりに楽しみだ」
弟たちが満開の笑顔の花を
パッと咲かせた。
そして、それからというもの。
「ねぇ陸、次はメイドさん着ない?」
…と、弟たちから熱烈な
リクエストを頂くことになった。
ちなみにいつのまにか日本と
にゃぽんにもバレていて、二人からは…
「女装ッ!?良いじゃん!!!
コスプレして一緒にコ〇ケ行こうよ!」
「日帝さんが楽しいならそれで
私も嬉しいですよ」
なんて言われた。
なんとも複雑な心境である。
そして、その話は今や日本家だけではなく
G7にまで伝わっていて。
この間など━━━…
「そういえば日帝さん。
最近貴方、女装にハマったそうですね」
イギリスの突然の爆弾発言に、
紅茶を思わず吹きそうになった。
「…ど、どこでそれを…」
「こないだにゃぽんちゃんが
日帝君とプリクラ撮ったときの
プリ見せてくれたよ?」
フランスが何でもないような笑顔で
そう言った。
その笑顔が怖い。
「…で、日帝。
次は何着るんね?」
イタリアが悪気のない顔で
私にそう問うた。
でも、イタリア家とは
イタ王繋がりで関わりの深い私には
わかる。
イタリアのこの顔は、完全に
私を面白がっているときの顔なのだと。
「…………あのなぁ……」
「私は見世物じゃないんだよ!!!!」
ほんの少しの好奇心だけで行動
してしまった前の私をひたすらに
恨んでいる。
…でも、まぁ。
弟たちが喜んでくれるのなら、
兄としてこれ以上嬉しいことは
ない。
………女装させられるのは
全く気に食わんがな。
Fin.
というわけで、以前リクエスト
頂いた日帝のセーラー話です。
実はですね、初めは空と海に
バレるんじゃなくてロシアに
見つかってほしかったなぁと
思ってました。
でも、話を考えていくうえで
色々と矛盾と言いますか違和感が
つきまとうことになったので
家族である空と海にまずは
バラしてみました。
セーラー日帝はイラスト部屋の方で
公開しておりますのでぜひそちらも
合わせてごらんください!!
リクエストお待ちしております!!
ではまた次回!
コメント
46件
日帝さんのプライドどっか吹っ飛びましたね!!!! 途中から口角上がりっぱなしでしで結局最後まで上がったままでした。 欲を言えばにゃぽんとのコ○ケ回欲しいです…!!
スー私も日帝さんが来たメイド服やセーラ服みたいなぁ…なんちゃって…
尊いですね 鼻血が止まりません! なんかクラクラしてきました! 平和すぎて涙も吹き出しそう