こんにちは!
もしくはこんばんは
蘭麻🎲🦁です。
今回は、「幼馴染の湊くん」です!
それでは、行ってらっしゃい(^.^)/~~~
【夢夜side】
桜の花びらが舞う入学式から、一ヶ月。
私、彩鈴夢夜、中学一年生。
中学校生活にもすっかりと慣れる・・・・ことができず、只今、広い校舎で絶賛迷子中です。
この学校、丘ひとつ分はあるとは聞いていたけれど、大きすぎるのにも程がある。
ううっ、困った。ここは、どこだろう。
キョロキョロ見回しても、校舎らしきものすら、見当たらないし。
どれだけ敷地が広いの!
職員室にプリントを届けた帰りに見かけた子猫を追いかけて、気づいたら、校舎裏の林に迷い込んでいた。
そもそも、学校の敷地内にこんなうっそうとした林があるなんて、おかしいよ。
可愛い子猫はどこかに行っちゃったし!
泣きそうになりながら林を抜けると、突然、一面の花畑が現れた。
「うわー‥‥きれい‥‥」
その時、ぐいっと首根っこを掴まれた。
くるりと振り向いて、目をぱちくりさせる。
「湊くん?」
きれいな紫色の瞳を細めて険しい顔で私を見下ろしているのは、幼馴染の不破湊湊くん。
同じく中学一年生。
やわらかな風に、湊くんの吸い込まれそうな深い灰色の髪が、ふわりとそよぐ。
「もしかして湊くんも迷子?」
「ふざけんな、夢夜といっしょにするな。
それより、なんでこんなとこにいるんだよ」
「子猫追いかけてたら、なぜかこんな場所にたどり着いちゃって」
「夢夜が迷い猫になって、どうするんだよ」
呆れる湊くんに、こつんと頭を叩かれた。
湊くんは、ちょっと口が悪いけど優しくて自慢の幼馴染。
整った顔立ちに見とれてしまう。
「どうした?」
深い灰色の髪をサラサラさせながら、湊くんが首を傾げる。
「湊くん、またかっこよくなった?」
「なにそれ、告白?」
「うん。だから、五時間目の数学の宿題、ちょっとだけ見せて」
「ふざけんな」
「冗談だよ。ちゃんと宿題やってきたよ」
空をあおいで笑う湊くんに、太陽の光が弾む。
左耳のピアスがキラリと光る。
湊くんの左耳にあるシルバーのピアスは、キレイな顔立ちの湊くんにすごく似合っているけど、まだ見慣れない。
「ほら、教室に戻るぞ」
「うんっ」
湊くんの背中を慌てて追いかけた。
―――でも湊くんは、どうして私がここにいるってわたったんだろう?
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もしや、盗聴器!?