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3日目。早朝。
※色々捏造(手紙など)
※今回だいぶ長いです(トータル2,759字)
_____
「すぅ、すぅ……んー、、」
カーテン越しに朝日が差し込む。
隣ですやすや寝ている恋人は
今日も朝からかわいい。
「ツぅ、ツッキー…じゃない…けい、
そんなにぃおこらないでよぉ…」
彼の寝言とともに目を覚ました月島蛍は、
昨日のことをふと、思い出す。
あの後、そのまま寝落ちしたんだっけ…。
幼馴染みの山口忠と付き合ってから
早3日がたち、早いなと感じる。
なんとも心地のいい朝だった。
「おきて、朝だよ」
「まだ寝足りないよぉ、むにゃむにゃ」
なんなんだ、この破壊力…
いくらなんでもかわいすぎる。
中々起きようとしないし、尚更
寝息が強くなったがこれも彼の魅力だ。
「今起きないと、お前と一生口きかないから」
「え、!?、おはよう蛍!」
「お、おはよ…忠」
幼馴染み兼恋人のつぶやきで起きるほど
恋人の対応力は引くぐらいに高い。
〜〜〜〜〜
昨日の夜、ツッキーこと蛍は成り行きで
俺の家にお泊まりする事になった。
昨日は楽しかったな~!!
お話ししたり、一緒にお風呂入ったり
愛してるゲームをしたり、
愛してるゲームを…したり…あっ
「なに、顔赤らめてんの」
「エッ、?あ、いや…ちょっと…
昨日を思い出しちゃって…」
「昨日の?……あー」
すぐに察したようだ。
「もう一回試してみる?」
「はああああ、?蛍、からかわないでよ…
かっこよすぎるから…」
彼のとっさな神対応に俺は思わず
顔を手で隠した。
それを見た彼は冷静な顔つきに見えて
なんだか嬉しそうにみえた。
「そ、そんなこと言っても俺の心は、簡単には奪えないんだからね!」
「とっくに奪われちゃってるくせに」
「っ!!!うるさーーい!!!」
じたばたと言葉を交わしていると、
彼はドヤ顔を、でもすぐにクールになり
そろそろ行こうか、と言いたげだったので、
一言交わしてからリビングへ向かった。
〜山口家 リビング〜
「おはよー、ってあれ?」
リビングにはひと気がなくて、
置き手紙だけがテーブルの上に
置かれていた。
手紙を覗き込む様に見ると、母の字で
短く何か書かれているのが見えた。
_
忠へ
お母さんとお父さんは出かけてくるから
月島くんとゆっくりしてね♪
ご飯は好きなの食べてちょうだい
いい1日を〜!
_
なんだろう、これ。
読み終わるとすぐさまポケットにしまった。
「なんだったの」
「あー手紙が置いてあって…なんか、お母さんたち出掛けてくるみたい!夕方くらいには帰ってくると思う!!」
「そっか」
「なにか作ろうか…?」
「作れるの?」
「うんっまあ簡単なの、だけど…」
「食べたい」
「おっけ〜!じゃあちょっと待ってて!」
〜〜〜〜〜
「美味しかった」
「ほんと!?よかったぁ」
食べ終わると食器を片付けた。
「ねえ、僕これやりたいんだけど」
片付けも落ち着いて、ソファに座ると、
彼が指差した先には意外なものがあった。
「これって……ポッ◯ー…?」
食べたいのかな、と近くに持ってくると
蛍は手慣れた手つきで袋から一本取り出す。
「どっちがいい?」
「どっち…どっちって?」
「味付きかなしか、選んで」
「えっと……じゃあ、こっちで!」
俺はなんとなく直感で味無しを選んだ。
「じゃあ僕がこっち、ね。」
今から何が始まるんだろうと
わくわくしていると
彼がこちらを見てきた。
何を表しているのか分からなかったけど
これを使ってやる何かを思い出した。
「これって、もしかして…!?」
「ポッ◯ーゲームだけど」
やっぱり、予想的中。
聞いたことはあるけどもちろん、
誰ともやったことはない。
どうしたら…とわたわたしていると、
簡単なルールをクラスの女子が
話していたのが頭に浮かんだ。
ルールは特にないけど、基本的には
ポッ◯ーをお互い左右に分かれてくわえて、
先に折ってしまった方が負けという
ごく普通のシンプルなルールだ。
「ツッキー、本当にやるの…!?」
「やらないって言っても、お前の負け顔見るまでは、僕だって引き下がれないからね」
「なんてことを…」
満更でもない顔をしている幼馴染み兼恋人は
果たして分かっていっているのだろうか。
もし、どちらも折らずに食べ進んだら…
「ファーストキスはもう済んでるんだから、
別に気にすることなんてないよね?
あと、折るのは絶対ヤメテネ」
「ふあっ、分かってるよ…」
不意打ちの一言。
こうして、結局、逆らう事が出来ず
運命の時間は始まった。
どうぞと言わんばかりに沈黙の時が進む。
俺から始めた方がいいんだろうか、
考えているとふと彼の口が動き出した。
「!??」
とんとんと進んでくる感覚は慣れなくて、
俺はカチカチに静止している。
「早くしないと、忠の分なくなっちゃうよ?」
淡々と食べ進めていく彼は、
いつも見る恋人に間違いないが、
今だけは別人のようにも見える。
これは一種の罰ゲームなのだろうか……?
「このまま負けになって、あとに何されても
文句言わないでよね」
急な発言に驚いた俺はハッと我に帰った。
この後が怖いのであきらめて折らないように
食べる進めることにした。
こうなったらもうヤケクソだ。
勝って蛍をぎゃふんと言わせるんだ!
キス…するまであと一歩手前まで来た。
震えが止まらない。
彼は平気な様子でこちらを伺っている。
そして俺はちょこっと、ある提案をした。
「最後、せーので一緒にたべよう、?」
こくこく、と頷くのを確認すると、
せーのと言う準備をする。
心の中で深呼吸をし、
いこうとしたときには…
もう遅かった、、。
「んっっ」
ちゅっ…っ
その音は、
静かな部屋の中で小さく響いた。
「んーっっ、んー」
アウトだよ、!フライングだよ、!!
せーのでって言ったよね??
びっくりした俺は思わず床に手をついた。
「かわい」
「んー!!、蛍!フライング禁止!!」
「その方が盛り上がるでしょ、それに僕、
せーのでやるなんて一言も言ってないし」
「ひどいよツッキー!!!!」
「ハハッ」
今日も俺の負けみたいだ。
いつも蛍には一本取られる。
「続きやる?」
さっきの事が気に入らず不貞腐れていたが、
振り向くと彼が帰ろうとしていた。
「やる」
「ほんと素直だよね、むかしから。」
「俺が成長してないみたいなのやめてっ!」
「ハイハイ、」
この後は夕方まで続いた。