二人きりのタクシーの中。沈黙が続く。
(き、気まずいっ!!)
私とニキニキはそりゃあ仲良しですよ??本当、仲良し。でも今ニキニキすっっっごく酔ってるし??仕方ないと言うかその仕方ないよね?
頭の中で謎の弁明を続けながら今にも眠ってしまいそうな彼の横顔を見つめる。
今日は、私の卒業?門出?祝いの最後になるであろう女研全員揃っての飲み会だった。
本心かそれとも飲み過ぎか、全員泣くわ騒ぐわ大変だった。
…まぁ、それほど愛されてるっていうのは嬉しいけど。
そういえば、ニキニキは別人かと思うほど静かだったような気がする。泣く…とは思っていないけどもう少し騒ぐかと思っていた。少し意外だったな。
そう考えているとまぁまぁの間彼を見つめていたことに気が付き反射的に目を背ける。
…彼は、ニキニキは私のことどう思っているのだろう。
だなんて、まるで少女漫画みたいなこと考えちゃってたな…。あくまで私は見る専だからね!?壁だよ壁!(?)
またもや謎の弁明をしてしまった。人は暇になるとみんなこうなってしまうのか…?
「……なぁ、まちこ」
不意にとてつもなく低い声で名前を呼ばれ驚く。
「どしたの?お水飲む?」
「いや、いい…ただ、」
「ただ?」
「…行かないで、くれよ。」
そう、蚊の鳴くような声で呟き彼は下を向いてしまった。
「ごめんね」
なんて言ったらいいのかだなんてわからなくて。ただ、申し訳ないのに。そんなふうに思ってもらえて嬉しいと思ってしまうなんて。
混乱した頭ではたったこの4文字しか声に出すことができなかった。
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