・これはsxxn様の二次創作です。ご本人様には一切関係ございません。
・キャラ崩壊注意です。
・六人交際、六人同棲設定です。今回はどのカプの要素もないと思いますが、地雷がある方は一応注意をお願いします。
・今回主に🩵様と💜様に料理をしていただくのですが、お二方の料理の腕前はアニメ基準なので悪しからず。
・やっぱり突然終わります。
・コメントしてくださる場合、検索避けを徹底しますようお願い致します。
以上が大丈夫な方は、どうぞご覧ください。
「…なぁすっちー、大丈夫なん?」
「大丈夫とかじゃなくて、やってもらわないと」
「っていっても、何もあの2人だけじゃなくてもさ?」
「あいつらが何買ってくるか分かったもんじゃねぇよ…」
とある昼下がり。ある住宅街に佇む一軒家にて、暖色組であるみこと、らん、なつは頭を抱えていた。
事の始まりはちょっと前。シクフォニの中でも料理ができないこさめ、いるまの2人が、すちに対して盛大に土下座をかましたことから始まった。
「「…料理、教えてください」」
「んぇ、どしたのこさめちゃんいるまちゃん」
キッチンに立って昼食を作っていたすちは、突然の2人の奇行に目を丸くする。そしたら2人は土下座したまま頭だけをあげた状態で、まるで子犬のような目ですちを見つめた。
「こ、こさめな、そろそろ自炊力あげないとやばいなって思って…」
「俺も、もしかしたらこさめよりもやばいくらいまで来てると思うし…」
「他メンもまぁまぁ料理できるはできるやん、やからこさめも料理できるようになって対等になりたいんよ!」
「俺、お前らに手作り料理食わせてみてぇなって、すちの料理見て思ったんだよ…」
「「だから、お願いします!!」」
そう言って再び額を床につける2人からの頼みに、すちはオムライスをお皿に乗せながら少しだけ眉を寄せる。
2人の熱意は十分に理解できるし、すち的にも自炊ができるようになってくれたらとても助かる。だけどそれ以上に、2人がどれだけ料理ができないのかを、今までの経験でこれでもかと実感しているのだ。いつかのバレンタインの、あのマーブルチョコなんていい例だろう。
だけど、2人が本当に料理を学びたいってのなら、こちらも試練を与えようじゃないか。そう決めたすちは、まだ土下座中の2人にこう告げた。
「…今日の晩御飯の材料、2人に任せるから買ってきてくれない?予算は1500円、追加で冷蔵庫の余り物も使うってことで」
「「え゙」」
「できるだけ値下げ品買ってきてね、近頃色々高いんだから。確か今日は土曜だから、一番近いスーパーがお肉20%引きなはず。卵が安いのが○○スーパーで、野菜は△△スーパーが1番安いよ。あと〜…」
唖然とする2人をよそに、すちは今まで培ってきた主婦顔負けの知識をペラペラとまくし立てる。「ちょ、メモとってくるから待って!」と部屋に駆け出す2人を見送って、すちは綺麗に焼けたオムライスを六人分、食卓に並べるのだった。
という話を後から聞いたみこと、らん、なつの3人は見事に全員共通で「すちは正気なのか…?」と心の中でツッコミを入れた訳だが、今回のこさめといるまの本気度を伺って、それを口に出せずにいた。
それで、3人が2人の料理の腕以外にもう1つ心配なのは、あの2人に買い出しを任せたことである。幸い冷蔵庫には余り物だけで一食賄えそうなくらいにはまだ食材は残っているけれど、あの2人が何を買うか分かったもんじゃない。珍しい食材とか見つけたら、ノリでカゴにいれてそのままレジを通りそうだし。いや、それは自分達もしそうだから他人に言えたもんじゃないんだけど。
「…なぁすち、俺らも料理手伝っていい?」
「ありゃ、らんらん達も?珍しいねぇ」
「すっちーが先生のお料理教室!みたいな…」
「あいつら心配だし、俺らもたまには手伝いたいわ」
「そうねぇ、キッチン狭くなりそうだけど…楽しそうだからしよっか、すちの料理教室!」
すちの言葉に、3人はほっと息をつく。一応自分達もすちほどではないが料理はできる方だ、2人がなにか問題行動を起こさないかを見張る手伝いはできるだろう。
料理界のピカソと卵がけご飯しか作れない男の奇跡のコラボが、一体全体どういうことになるのか。3人は今からそれを想像しては、不安が募るばかりだった。
「ただいま」
「ただいまー!!買ってきたぞー!!」
「お、いるまちゃんとこさめちゃん帰ってきた」
さて、ただ今の時刻は16時半。
15時に家を出たこさめといるまの手元には、全て異なるロゴのレジ袋が持たれており、何件もスーパーをハシゴしたのだと予測できた。
「こさめ達頑張った!!な、まにき!!」
「スーパーって…ハシゴするとこんなに安く済むんだな…」
両手に持つレジ袋を大々的に掲げながら褒めてと言わんばかりのドヤ顔をするこさめの横で、いるまはレシートを手に呆然としている。とりあえずこさめの頭をらんとなつが思いきり撫でて、すちとみことは2人が持ってきたレジ袋をキッチンの上に置いた。
袋の中身を覗いてみると、まず第一にカレールーが目に入る。なるほど、2人はカレーを作るつもりで買い物をしたのか。それなら確か、家にはまだじゃがいもとにんじんが残っていたはず。あとは玉ねぎとお肉といったところか。いや、じゃがいもは残り少ないし、そっちもちょっと買ってくれていたら助かるな。
なんて思いながら、すちとみことはレジ袋の中身を次々と取り出していく。
「…えっと、200gの豚こま肉が2パックと…あ、じゃがいもも買ってきてくれてる」
「それと玉ねぎが5個セットのやつの、か…時間の割に買ったの少ないな?」
「俺が色んなとこのチラシとかあげたから、多分律儀に遠い所まで行ったんだと思うよ〜」
「な、なんと…!!」
すちの発言に、みことは思わず感嘆をあげる。たったこれだけの買い物のためにいくつものスーパーをハシゴしたとは、2人の本気度がこれでもかと伺えたものだ。それとついでに変な買い物をしなかったのも、一応褒めるポイントではあるだろう。
「あ、すっちー。これお釣り」
「あら、ありがといるまちゃん」
「いるませんせ、2人のお料理には俺らも付き添うからな…!!」
「え、マジ?助かるわ、教えてくれる奴は多い方がいいし」
さて、ただ今の時刻は16時40分。
少し早い時間帯ではあるものの、晩御飯の支度を始めてもいい頃だろう。
らんとなつに頭を鳥の巣みたいにされているこさめもキッチンに呼んで、ついに「すちの料理教室」が開始された。
「いいですかこさめちゃんいるまちゃん、ここは成人男性6人が暮らすおうちです。作る量はまぁまぁ多いから頑張ろうね」
「はーい!」
「1人とてつもねぇ大食いいるしな…」
「別にいーだろー」
いるまがらんの方をジト目で見つめると、それに気付いたらんも唇を尖らせる。
それを苦笑いしながら横目で見るすちは、まな板と包丁を2セットずつとピーラーを取り出してキッチンの上に置いてから、睨み合いをし始めたツートップを止めに入った。
「ほれほれ、睨み合わないの。カレー作り始めるよ」
「だってよいるま、さっさとキッチンにお行き?w」
「…お前今日おかわり禁止な」
「待て待て待て、それだけはお止め下さい俺が飢え死んでしまいますぅ…」
「らんくんマジどんだけ食うんや…」
いるまに縋るらんを引いた目で見つめるこさめに全員がひと笑いしたところで、ようやく本格的に料理が始まった。
「さて、まずはじゃがいもから始めようか」
「まず水洗いしてから、皮はピーラーで剥いてな!」
「芽はきちんと取るんだぞ〜、俺らが死ぬから」
キッチンの隅で見守るみこととなつの言う通りにして、こさめといるまはじゃがいもをゴシゴシ洗い、ピーラーで皮を剥き始める。所々危なっかしいところはあれど、なんとか芽も取り除くことができた。
「んで、剥き終わったじゃがいもを半分に切って、それをまた半分に切って、それを三等分にする。こんな感じね」
「うわ、すっちーの手際半端ねぇ!!」
「さすがすっちーだわ」
「はい、2人もやってみな」
さて、問題は包丁を扱うところからである。
じゃがいもは意外に固いっちゃ固い方だし、ボコボコしているから抑えにくいしで、切るのはちょっとだけ難しい。2人が怪我をしないかハラハラしながら、他4人は固唾を飲んで見守り始めた。
「おっしょ、おっしょ、おっしょ…え、こんくらいの大きさでほんまに大丈夫なん?火通る?もっと細かくするべきでは?」
「大丈夫大丈夫大丈夫!!やからこさめちゃん一旦包丁置いて!!」
きちんと手を丸くして包丁を扱うこさめは、料理下手とは思えないほどさくさくとじゃがいもを切っていく。だけど切った後にさらに細かくしようと暴走しかけたところで、必死の形相をしたみことに無事止められた。
「…おっ、と…待って、指切りそう」
「いるま大丈夫か!!猫の手だぞ猫の手!!」
「いるいる、にゃんにゃんよにゃんにゃん」
「待ってなつお前完全に遊んでんだろ???」
「あ、バレた?w」
対してあまり包丁の扱いに慣れていないらしいいるまは、ぎこちない手つきで少しずつじゃがいもを切る。時折指を切りそうになっては、両隣にいるらんとなつから頼んでもいないアドバイスを受けつつ、なんとかじゃがいもを切り進めていた。
「…なんか、2人が料理下手な理由が分かった気がする」
その様子を見守るすちは、苦笑いをしながらそう呟く。どうやらすちの料理教室は、思ったよりも長丁場になりそうだ。
その後も玉ねぎと涙の戦争を繰り広げたり、にんじんの皮をどこまで剥けばいいのか分からず削りすぎたり、肉の切りづらさに悪戦苦闘したりと色々あったものの、ようやく野菜達を炒める過程にまでたどり着いた。
「えっとね、お鍋に油を大さじ2くらいちょちょっと入れて…そうそう、それで、中火で油を熱します」
「え、火力強い方があったまるの早そうじゃね?」
「ちょちょちょ、いるま!!火力!!大事!!」
コンロのつまみをグイッと一気に回したいるまをらんが慌てて止めて、改めてつまみを中火に揃える。いい感じに油が温まってきたところで、こさめはさっき切った具材達をドサッと鍋の中に投入した。
「んで、これ炒めればいいん?」
「そうだよ〜、玉ねぎがしんなりするまでね」
「焦げないように気を付けてな?」
「はーい、こさめに任せな!!」
両隣ですちとみことが見守る中、こさめは木べらで具材達を炒める。
いい感じに玉ねぎも透き通ってきて全体的に炒められたところで、すちはシンクの方にいる残りの3人に声をかけた。
「3人共ー、お水大丈夫そうー?」
「OK準備バッチリ!!」
「いるまく〜ん、よくできまちたね〜?w」
「なんか今日なつがクソくぜぇんだけど」
イチャイチャ(?)しているなつといるまは置いとき、らんが鍋に水を入れる。
後は煮込みながら灰汁を取って、ちょっとしたらルーを入れるだけだ。ようやくここまで来れた、と4人は感動するばかりである。
「2人とも、レシピ通りにやれば普通に料理できるんだけどねぇ…」
「変にアレンジ加えようとすっから…」
「とりあえず火力は守れよ!?焦げるから!!」
「け、けど!!2人ともよう頑張ったと思うで!!」
「ちょ、そのリアクション完成した後にやって!?」
「なんでここまででそんな褒められるんだよ…」
完成してもないのにべた褒めされる2人は、そんなに料理の腕に希望されていなかったのか、と揃って肩を落とす。まぁ事実だからと自分達も分かるけど、もうちょっと期待値のハードルを上げてほしいものだ。
ここまで来たなら見張りは1人で大丈夫だろう、となつ、らん、みことの3人はキッチンから離れる。すちが見守る中、2人は灰汁を取ってルーを溶かし、しばらく煮込んで、ついにこさめ&いるま作のカレーが完成した。
「…ジャイ〇ンシチューの色してない!!やったでまにき!!こさめらやったで!!」
「きちんといい匂いするわ…カレーの匂いだ…」
このカレーを本当に自分達が作ったのだ、と喜ぶ彼らは、初めて自分達だけで料理が作れたと喜ぶ子供のようで。見守ってきた保護者もとい他の4人も、無事に完成したことにホッと胸を撫で下ろす。
「よし、じゃあお夕飯にしちゃいますか」
「こさ今日はたくさん食べるー!!」
「俺…こさめといるまが作った料理、ドカ食いしてもいいですか…」
「お前の胃袋だと半分くらい食いつくしそうやけぇやめて??」
さて、ただ今の時刻は18時をまわる頃。
後ろの食器棚から6人分の食器を取りだして、各々思い思いの量をとる。全員でダイニングテーブルの定位置について、声を合わせて「いただきます」と言ってから、お待ちかねの実食タイムが始まった。
「…お、うまい」
ひとくち食べた瞬間、そう言ったのは誰だったか。
その言葉を皮切りにして、食器の音は鳴り止むことはなく響き合い、2人が作ったカレーは次々に全員の口へと運ばれていく。
「なんか、子供が一生懸命作ってくれる料理の味するわ」
「美味しいっ!!」
「めっちゃいい感じに出来たやん、超絶美味いっ!」
「なんかキュンとくる味だわ…やっぱ食い尽くしていい?」
「らんらんは本当に食い尽くしそう…まぁ気持ちは分かるけども」
「お、すっちー公認きちゃ?」
「えー、そりゃもう…めっちゃ美味しいですよ」
「お、すっちー公認いただきましたー!!」
みんながみんな忙しくて、あまり6人揃って食べることのない食事の時間は、たまに集まったものなら今のように騒がしくて、賑やかで。笑顔でカレーを頬張るみんなの姿は、なんだかとても温かい。
早々に食べ終わったらしいらんが「おかわりしてくる〜」と席を立って、「今日おかわり禁止っつったろ」といるまが引き止める。引き止められたことに対して演技らしく泣きべそをかくらんに、思わずみんな笑ってしまって。
「いやけど、らんくんがおかわりしたくなるほどには美味しいから!!やっぱ!」
「それはそう。お前ら、今日はありがとな」
そして、改めて笑顔でそう言う彼らは、間違いなく今日一番の料理人である。
初めてのリクエスト、やらせていただきました…!
ご期待に添えていなかったら申し訳ないです。
昨日の配信見ましたか…!?
ラタトゥイユBAR、ぜひ開いてほしいですよね…ザクロジュースも飲んでみたいものです…
この話を書いている最中にそんな配信があったので、なんか勝手に運命感じちゃいました。
改めて、閲覧ありがとうございました。
コメント
4件
昨日の配信見ました!私は3人であーんしてた所で横転して今は切り抜きを永遠にループしてます… 朝起きて見たら、ひのん様のお話もお料理するのが💜さんと💙さんで、テンション上がっちゃいました💕 ↓↓↓続