立ち止まる僕にウンソクさんは戻ってきてくれた。一歩ずつ僕に向かって、まっすぐに。
僕を見つめたまま、怒るでもなく笑うわけでもない。
さっき、別に僕が付き合えるわけじゃないのにって、思った。
初めて見たとき、この人に僕を見つけてほしい、できることなら肩を並べて歩きたいと望んだ。
予想外に早く望みが叶ったせいか、僕はそれ以上を望もうとしている。
男同士なのに、特別な後輩、友達、弟という存在じゃ物足りないほど。
自分でも無自覚だった。
「嫌だったんなら……」
「違う。違います。……そうじゃ、なくて」
ウンソクさんはあごに手を当てて考え込む仕草。そういうとこがいちいち可愛いのも、笑えるしかっこいい。
「あ、わかった」
パッと目を見開く。小さな子供がなにかいたずらを思いついたときみたいな顔で。
自分のおでこを指さしながら言った。
「ここじゃ不満だったってこと?」
にやにやしながら、さあ、お前はなんて答える? って目が言ってる。