TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する


映画デート



『わ、わりぃ!ちょっと遅れちまった……』


待ち合わせに少し遅れて駆けつけてきた彼。少し息が上がっており、急いできてくれたのが表情からも伝わる。そんな真剣な眼差しで見つめられると多少の遅刻も許せてしまう。遅れた理由も今日のこと色々悩んで○○のこととか考えてたから…だったり。


『今日の服装…か、かわいいな…』


突然そう言ってそっぽを向く彼。でも真っ赤に染まった耳が彼の気持ちを物語っている。褒めてくれたけど彼の方が照れている様子。


「シンくんもかっこいいね」


『っ!?……ばっっかお前、急すぎんだよ…』

『(ほんとそういうとこ…!……)』


ただでさえ自分で言った発言に照れてるのに、○○の言葉で追い打ちかけられてさらに視線を逸らす彼。言葉ではそんな風に言ってるけど、内心は好きな子に褒められて満更でもない。


『……行こうぜ』


そのまま歩き出す彼だが、後ろから見える彼の耳は赤く染っていた。出会って間もない2人は既に早まっている鼓動を意識してしまい落ち着かない状況だった。彼の言葉が場が和ませ、1歩リードしてくれる。それは彼の照れ隠しの様にも見えたけど。


ーーー


映画館に着く2人。先程は沈黙が続いていたが、今は何の映画を見るかで盛り上がっていた。


「恋愛映画みたい!!」


って笑顔でいう○○に対し少し顔を顰める彼。


『恋愛モノかぁー、いいぜ』


正直恋愛見た事ないしそこまで興味ある訳でもない。それでも、○○が見たいなら…と思い、あっさり承諾した。しかし、彼の一瞬の表情と声色を感じ取った○○が、突然立ち止まり、不安げな声で呟く。


「やっぱり恋愛系あんまり好きじゃない、、?」


『…そんな悲しい顔すんなって。

嫌って言ってねーから。ほら、見に行くぞ』


少し寂しそうに呟く彼女を安心させるようにぽんっ、と軽く頭を撫でてくれる。彼の大きな手に撫でられ、一瞬で笑顔になる彼女を見て内心可愛いと思ってる。さりげない優しさが垣間見える瞬間に○○も不意にときめいてしまう。


ーーー映画開始


映画館に着き、後方の座席に座る2人。シアター内が薄暗くなり、辺りも静まり返る。そんな中彼は隣で好きな人と映画見てる状況に何処か緊張して○○の思考を読んでしまう彼。すると


「(映画館と言えばこっそり手繋いだり… でもな…)」


っていう可愛い思考が流れてきた。まさかの思いに驚いたものの少し考えたあと、「…ん、」って手差し出してくれる。繋ぎ返してくれるかな、って心配してたけど嬉しそうに手握ってくれる○○を見て安心しつつ、手から伝わってくる体温に心臓ばくばくしてる。広いシアター内でこっそり繋いだ手は暗闇が終わるまで解けないようで。


『(俺の○○、やっぱ可愛すぎるだろ…っっ!)』


ーーー


恋愛映画のクライマックスとも言えるキスシーン。自分のことだと恥ずかしくなっちゃうけど、知らない男女が口付けしてるだけだから彼は特に何とも思ってない。でも隣の○○は見てるだけで恥ずかしいのか、両手で顔を隠す。それを見た彼はからかうように小声で囁く。


『見てるだけで恥ずかしくなってんのか?

顔真っ赤になってんぜ 』


そんなこと耳元で言われたら更に下俯いちゃう○○。彼、今日は大人っぽく振舞ってるけど、実は内心


『(俺もいつか○○と…って、なに考えてんだ!)』


って1人で想像して恥ずかしくなってる 彼もいたり。結局、映画が終わっても繋いだ手は離せずにいた2人を光が迎え入れていた。


ーーー帰り道


街灯が辺りを照らす帰り道。夜遅くに○○を1人で帰らせる訳には行かないのでしっかり家まで送ってくれる彼。○○が「申し訳ないよ…!」って言うのも構わず


『彼女送るのは当たりめーだろ』


というイケメン彼氏。家に到着してお別れの時間が近づき、少々肌寒く感じる。楽しかったな、とひとり余韻に浸っていると無言で彼が歩み寄ってきて、突然彼の体温に包まれる。抱擁に幸福感を感じながら彼を見上げると、不意に軽く唇が触れ合う。


「っ……!?」


『……悪ぃ、今日の映画見たら……つい…』


自分からした癖に頬赤く染めてそう言う彼。軽く頬を掻きながら照れたように言い訳を述べる。当然の口付けに驚いたけども何処か心地よかった。その後は特に何もなかったように


『じゃ、またな 』


と微笑みながら言った彼は背を向けて歩き出して言った。


『(勢いでなんてことしてんだ俺……っ!!)』


自分の行動に後悔しながら夜道を歩く彼。”またな”なんてかっこつけて言っちゃったけど、実は心臓飛び出そうなくらい緊張してた様子。嫌われてねーかな、?とかまたデート行きたいなとか彼女のことばかり考えながら帰宅。

家帰ってもキスした感覚忘れられなくて思い出す度に赤面してる彼。可愛い一面もあるみたい。

殺し屋夢 短編集

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

51

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚