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「えー、突然ですが無人島に来てしまいました」
「AVの雑な導入みたいだな」
日本……かどうかも怪しい某所。日々苺の王子様としてネットで活躍している彼らだが、只今インザ無人島であった。どうしてこうなったのかということは面倒くさいので省きたかったのだが話される張本人である紫髪のNさんによって圧がかけられたため話す事とする。その日、彼等はーー。
「無人島企画ぅ?」
都内、STPRオフィスにて。すとぷりのリーサルウェポンこと菊池さんから新たな企画が持ち出された。題して「すとぷり!春のサバイバル祭り」。そんな春のパン祭りみたいな名前しといてあんまりだ!と抗議する六人だったが、リスナーに事前アンケートを取ったと言われ、菊池さんの黒い背景を見てしまったら最早断れない。メンバーはサバイバル第一弾、「一から物資を作って生き残れ!チキチキ、無人島生活」をやる事となったのだ。
無人島といっても色々ある。レジャーなどで気軽に使われる無人島もあれば、猛獣がいるようなサファリパーク島もある。六人はどっちかといえばレジャー無人島の方かな、やっぱ危険だし…とか思っていたのだが、いざ企画を聞いてみると連れていかれるのはガチの方のサファリパーク島であるらしい。
「ちょ待ってください死にます流石に」
「なんの経験も無いですよ俺達⁈」
至極真っ当な反論に対して、菊池さんは何と
「皆さんなら大丈夫ですよ」
と嬉しくないタイプの信頼を預けてきた。嫌だ、三井住友銀行とかに預けて下さいという茶化しもあえなく塵となり。企画は進行してしまっていた。
しかし彼等はガチの危険を感じていた。無人島で暮らすのも初めてなのにいきなり本場に連れて行かれんの⁈サーフィン初心者をナイアガラの滝に連れて行くようなもんですよ⁈
と、話し合った結果、「のらりくらりかわし続ければいつか妥協案でてくんじゃね計画」が施行された。もしこの場にアインシュタインとかがいたらあまりの馬鹿さ加減に憤死しただろうが、そんな事を考えている暇もないほど割と六人は切羽詰まっていた。
そして、数日後。
「あの企画ってどうなりましたか?」
「あー…ちょっと今色々立て込んでまして…」
何で俺に白羽の矢が立つんだろう、リーダーだからか?リーダーだからか。疑問符一つで意味が変わるなんて凄いな、ってこれ現実逃避とか言うんじゃない?とか紫月が思っていると、菊池さんが検事の目(違う、嫌疑兼心配の目)で
「ななもりさんがそんな事言うのは珍しいですね、あんまり溜め込みすぎないのは良いことですけど」
うっ、と罪悪感に駆られる。そんな事を言われては嘘をつき続けられるはずもなかった。その理由は菊池さんだからの一言以外に必要ない。
「いや全然大丈夫です企画進めます!」
「ーーという訳でして…」
「バカぁぁぁ!!」
普段五人は滅多に紫月に対して「バカ」とは言わない。他の奴らが既にバカ要員(主にC and J)なので。だがしかし、この場合に関しては「バカ」と言う以外に選択肢はなかった。
「何してんのなーくん⁈」
「バカなの⁈」
「自ら死にに行くようなもんだよ⁈」
「いや…本当に、返す言葉もございません…」
今までにないビッグな青筋と共に怒られる紫月は、メンバーってこんなに怖かったんだなぁ…と思っていた。俺、初めて本気で怒られたなぁ。よくころジェルが殺られてるのは見たことあるけど、こんな感じなんだ。ふわふわとうわの空を飛んでいた紫月だったが、突然「あれ、これガチで無人島行かなきゃいけないやつじゃん」ということに気づいた。そして焦る。うわ、これやっちゃったかも。
結局、一度約束してしまった手前企画進行をサボることはできずに、彼らは無事、無人島へ行く事となり、そして今に至る。