交通事故から1週間が経った。数時間前に友達がお見舞いに来てくれた。
「はぁ……今私が入院してる瞬間もみんなはバスケをしてどんどん上手になってるんだろうな。なんで私だけ…。 」
その瞬間、首に冷たいものが当たった。
「わっ……!」
「やっほー凪紗ちゃん。」
そこには湊くんがいた。
「湊くん、なにして…!」
「誰かさんが悩みを抱えてるようだったから飛んできたよ。」
私の首につけた冷たい缶ジュースを私にくれた。
「ありがとう。……それって私の事?」
湊は頷いた。
「悩んでることなんでも言ってみて!」
私は交通事故のこと、入院のこと、部活のことを湊くんに相談した。
「そっか…。でも、5ヶ月後くらいには復帰できるんでしょ?良かったじゃん!」
「そういう事じゃないんだよ…。」
「でもいつかは復帰出来るんでしょ? 」
「そうだけど……。私が今喋ってる瞬間もみんなは勉強とか、バスケとか、沢山練習してる。私だけ置いていかれてる気分…。」
「でも……」
私は分かってくれない湊くんにイライラしてしまう。本当はイライラしたくないのに…。
「湊くんにはわからないよこんな気持ち!!」
あたりは静まり返った。
「…部屋に戻る」
その場に残ったのはまだ開けていない冷えた缶ジュースと湊くんだけだった。
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