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【第一章 ”不思議な駅”】
??「ここは、どこ?」
目が覚めると、目の前には駅の名前が書かれている看板があった。
駅の看板には”___の駅”と書かれていて、なんの駅かは文字が滲んでいて分からなかった。看板から目を逸らした時、何人かの人が大事そうに切符を握りしめて列車を待っている姿が目に映った。
女の人「あなたも切符をもらったの…?」
綺麗な女の人が私に声をかけてきた。
??「私、目が覚めたらここにいたんです。ここの列車はどこへ行くんですか?」
私はそう聞いた。すると女の人は…
女の人「そう、あなたまだ切符を貰ってないのね、ここの列車の行先はあなたが決めるのよ」
女の人がそう言い終わると同時に、駅に列車がやってきた。
女の人「あなたも自分の行き先が見つかるといいわね…もし見つからなかったら駅員さんに聞いてみるといいわ…それじゃあ」
女の人はそう言って列車にのって行ってしまった。私は女の人の言葉を信じ、自分の行き先を探すことにした。
【第二章 ”私の名前”】
私はまず自分の名前を思い出すことにした。
??「愛華…莉子…」
いくら名前を思い浮かべてもピンとくるものが何も無かった。そして少し時間が経ったころ、私は自分がバッグを持っていたことを思い出した。
??「このバッグの中になにか入っているのかな、」
私はそう思い、私はバッグを開いた。するとそこには女の子の写真が入っていて、裏には”藤白 咲良”と誰かの名前が書かれていた。
咲良「この写真…」
私はこの写真に見覚えがあり、バッグの中に入っていた鏡で自分の顔を見た。
咲良「この写真に写ってるの、私だ」
写真に写っている女の子はわたしで、私の名前は”咲良”だということを思い出した。
そして私は駅員さんに話しかけた。
咲良「すいませんッ!!思い出しました!!私の名前!!だから切符をください!」
私がそう言うと駅員さんは笑って、
駅員さん「切符ならもうあるじゃないですか、あなたの名前です。」
咲良「切符が私の名前…?」
私は戸惑ったが、駅員さんの言葉を信じて列車を待つことにした。
次に電車が来るのは40分後、その間にバッグに他に何かものが入っていないか探すことにした。
探していると中から、手紙、財布、カメラが出てきた。
咲良「この手紙、誰からだろう」
私が中身を見てみると、そこにはこう書かれていた。
『咲良へ
しばらく会えていなかったね、僕は元気に過ごしてるよ、君と離れてしまったのは悲しいけど、こっちでものびのびやってるつもりだ。君は元気でいるか?怪我してないか?何かあったら手紙をください。大好きだよ、
___より』
書出し人の名前は分からないけど、私はとても嬉しい気持ちになった。そんなことをしているうちに列車がやってきた。
咲良「駅員さん!ありがとうございました!」
私は最後に感謝を述べて列車に乗った。
【第三章 あの人の元へ 】
しばらく列車に乗っていると、外の風景がかわり出した。最初は何も無かったけど、次第に森や川が見えてきた。私は外の景色を見ながら列車が到着するのを待っていた。
車掌さん「終点です。終点です。」
列車が止まって私はただ終点とだけ書かれた看板の駅に降りた。
咲良「どこ、ここ」
振り向くと懐かしい景色がそこにあった。
さっきまで駅だったところが草原に変わり、周りには小川がある。
咲良「懐かしー!ここを曲がれば私の家だ!」
来たこと無いはずの場所なのに、知らない場所のはずなのに、私は自然とそんなことを口にしていた。
そこを曲がって家に着くと、知らない人がいた。その人の事を見たことあるようなないような、でもどこか懐かしい、大切な人のように感じた。
咲良「あの、」
私がそう言うとその人は…
彰「咲良!!探したよ!!どこにいたの? 」
と聞いてきて、私は
咲良「どなた様ですか?」
と聞いた。すると
彰「もうふざけないで、僕だよ彰!!」
その名前を聞いた瞬間全てを思い出した。
彰は私の彼氏でこの世で1番に大切な人、
もうすぐ結婚も決めようかと思っていた、
そこまで思い出した瞬間また場所がかわり、今度は病院の中にいた。
咲良「ここ、は、」
私は病院のベッドに横たわっていて、隣では彰が泣きながら私の手を握っている。
彰「咲良ッ!!」
咲良(嗚呼、全部思い出した。)
私は病気で倒れてしまったんだと思い出した。1週間後には彰との結婚式があったことも全て思い出した。彰は泣きながら私に行っ言た。
彰「お願いッ、行かないでくれッ」
私の手を一生懸命に握り、私が元気になることを心から望んでくれた。
咲良「私、も、まだ、彰と、一緒にいたい、 」
私は最後の力を振り絞って言った
咲良「”愛してる”」
終わり
駅員さん「ここは願橋駅、あなたの願いが叶う駅です…あなたもいつか来る時が来るかも…」