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祐希さんは、きっと猫がご先祖さまなんじゃないかと思う。「日本バレー史上最高の逸材」なんて呼ばれてるけど、とても猫っぽいと感じる。
ルーティンもしっかりしてて綺麗好きで、変なこだわりが強くてマイペースなところとか、自由気ままな猫そのものだと思う。あとは、気配を消す、みたいなのが上手い気がする。スっと立ち去ったり現れたりする。しかも、ごく稀に至近距離で現れるときなんか心臓が止まりそうになる。いつもは自分のテリトリー意識全開なのに、急になんの前触れもなく、僕の懐にスイって入ってこられるととてつもなくビビる。嫌とかじゃなく、心の準備が整ってないから、どうしていいか分からなくなる。正直なところ、触れ合うのは好きだからもっとくっついて一緒にいたいけれど、こちらから触ってしまえば本物の猫のように逃げられそうだし。だから、そういう時は放置するしかできない。
でも、この前、勇気を出して聞いてみた。
「あの、祐希さんってたまにめっちゃ近いですよね…?」
「?そう?嫌だった?」
「いやいやいや!ぜんぜん、むしろ嬉しいんですけど」
「嬉しいんだ(笑)」
「当たり前じゃないっすか!でも、いつもはパーソナルスペース広い感じするから、なんで急にそうなるんだろう、って思って」
「そーかなぁ。んー…」
いつもの、祐希さんの考える時の癖。ちょっと下を向いた時の伏せた感じの目が僕は結構好きだ。
「…あんまり、考えてなかったし無意識だからわかんないけど、多分、寂しいんじゃないかな。不安ってか、悩んでたりとか、多分だけど。」
「あぁ、なるほど。」
納得したけど、無意識ってことは、僕が近くにいないときは他の人にもしてるということだろうか。なんだかそれは、おもしろくない。心臓がズキンと傷んだ。
ーーー僕だけに、懐いてくれないかなぁ。