忘れられることのない心優しいヴィランの人生。
とくとご覧あれ。
人外。俺は青鬼だ。人間は自分たちより違うものを差別するという習性があり、人外は人ならざるもの。結構嫌われていた。
人間が嫌っていない種族もあり、エルフ、神様、天使などは嫌われていなかった。
青鬼は特に嫌われている分類であり、他にも堕天使や悪魔。幽霊や人魚は嫌われている方だった。
俺は王族に実験体として作られた元人間。だからこそ人間が嫌いだった。雪の降る日の逃げる時に実験器具をすべて破壊してから脱出した。俺以外の人外は理性がなかったから置いてきた。
rd「ハァッ…ハァッ…」
人外といっても能力があったりするだけで体力が上がったりはしない。
rd「逃げッれた…?」
息が荒い。王族に死ぬほど追いかけられた。裸足の足からは赤色の血が出てきている。
rd「とりあえずは安心かな…?」
全身が痛い。しかも寒い。
するとそこに気味の悪い森があった。
rd「…?」
気づいたら俺はその森の中に入り、そのまま倒れてしまった。
一瞬誰かの声が聞こえてきた。王族かも知れない。逃げないと…。そんな思いも虚しく、俺はそのまま失神してしまった。
温かい…ここはどこ…?
重いまぶたがゆっくりと上げる。そこには知らない男性がいた。サラサラの黒い髪に緑色の目。白色の服に蝶ネクタイ。そして漂う人外感。
rd「んぁ゙…。ここどこ…?」
???「起きた?森の中で失神しててめっちゃ怖かったんだよ。ここは俺の家。あと君もだと思うけど俺は人外の人形だよ。」
rd「ぇ…」
急すぎる早口トーク。研究所でまともに話していない俺はゆっくり話し返すことしかできない。
???「やべっ言い忘れてた!」
pk「俺の名前はぴくとはうす。別名白い化け物だよ。」
rd「ひくとさん…?」
pk「ぴくとね…ところでどうしてあんなところで寝ていたの?」
rd「王族から逃げてて」
この人になら話してもいいのかな、と直球に思ったため俺のことを話した。
元人間なこと。名前や種族。自分の過去もすべて話してしまった。しかも王族の秘密までいろいろなことを話してしまった。
pk「ねぇらっだぁ。」
rd「なに?」
追い出されてしまうのかも。しょうがないかと考えながら次の発言を待っていた。
pk「うちに住まない?一人でさみしいんだよね」
その発言が困惑もあったけど嬉しくて、ついついないてしまった。
pk「大丈夫。買い物とかは俺が行くからさ、家事を手伝ってくれない?」
rd「そんなことでいいのなら…ここに住まわせて下さぃッッ!」
枯れるような声を振り絞ってたのんだ。
pk「全然い〜よ!」
こうして俺は20になるまでここのぴくとさんのお家に泊めさせていただくことにした。
プレゼントで貰った赤色のマフラー。人外の批判などで辛くなるたびにマフラーを握りしめて耐えている。
いつまでこれが続くのだろうか。この幸せが。こんな人外に訪れた幸せを俺と同じ境遇の人にもあげることを心に誓った。
これが彼の心優しいヴィランの人生の始まりなのである。
更新速度が遅いけど首を伸ばして待っていてくださいね♪
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