放課後。春の風が教室のカーテンをふわりと揺らす。
窓際の席、赤くなった耳を隠すように、涼(りょう)はぷいっと視線を逸らしていた。
「りょぉ~」
背後からひょっこり顔を出したのは、彼氏の玲於(れお)。
明るい笑顔を浮かべて、まっすぐに涼を見つめる。
「今日、部活ないんでしょ?一緒に帰ろ~」
「……っ、うるさい、別に一緒に帰らなくても…」
「え~……涼が一緒がいいな~って言ってたくせに?」
「そ、そんなこと言ってないっ……!!」
(なんでこいつ、いつもこうやってペース乱してくんだよ……!)
顔を赤くしてそっぽを向く涼に、玲於はにやっと笑って近づく。
そして、耳元にふわっと口を寄せて——
「……ずっと、涼のそばにいるから」
「っ……!!/////」
思考が真っ白になる。急に近くなる心臓の音。
玲於はその様子を見て、嬉しそうにくすくす笑いながら、優しく頭を撫でた。
「照れすぎて黙っちゃった?可愛いなぁ……ほんと涼って、小動物みたい」
「ば、ばか……!!そんなんじゃ、ねーし……!」
ぎゅっと制服の裾を握りながら、涼は小さな声で続けた。
「……でも、そばにいてくれるのは、別に……悪くないし……」
——玲於の笑顔が、さらに優しくほどけた。
「じゃあ、覚悟してね。これからも、もっともっと甘やかすから」
そして、ふたりは並んで歩き出す。春の陽だまりの中、少し距離の近い影を落として。
𝙉𝙚𝙭𝙩 .5 0 ♡