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私は今まであまり遠出をしなかった。
何か理由がある訳ではないけれど、とにかく今、目の前に広がる海に感動していた。
いつの間に免許を持っていたのか、車を買ったのか、
ククルに連れられドライブしながら海に来た。
波打ち際の音が心地よくて、目を閉じて自然と微笑んでしまう。
ククルの方へ振り返ると優しく私を見ていた。
当然、木蓮と言う俳優の見た目ではなく、白い長髪をなびかせていた。
青い空が映えるなぁ…
「まり、見とれてた?」
「えっや、う…/」
「ん?海に見とれてたんだよね?」
あっ。
海にも圧倒されたけど、今見とれていたのはククルにだった。恥ずかしいなぁ。
「そ、そうだよ!あれ?それ水着?」
ククルは車のトランクに私の水着を用意してくれていた。
「そうだよ。ワンピースに見えるけど、中は分かれてるから着やすいと思うよ。ほら、車で着替えておいで」
ククルは本当すごい。
抜け目が無いというか…
あれ、この水着…ピッタリだ。
ククルは本当にすごいなぁ。
私は感心しながら薄紫の水着を身に纏うと車から出る。
「似合うかな?」
「うん、凄く可愛いよ。やっぱりピッタリだね
この間触った時の思い出して、探したんだ」
「えう//?!」
まさかの発言に顔を真っ赤にしてしまう。
へ、変態さんだぁ…
でもそのおかげで、こんなに可愛い水着を着れるから良いのかな…?
「ふふ、本当可愛いね、まりは。
ね、追いかけっこしようか?」
あ、漫画とかであるよね、追いかけっこ。
楽しそう〜。
「もちろん、罰ゲームありだよ?
俺に捕まったらね」
クスクスと笑ってるククル。
また、罰ゲームですか。
つい、お尻を手で隠してしまう。
それを見てククルの顔がどこか妖しく見えた。
「そっか、まりはお尻ペンペンされたいんだね。
いいよ、罰ゲームはそれね?
ほら、早く逃げないと」
「ええっ私だけ罰あるの狡いよォ」
私は慌てながら急いで海辺を走っていく。
「それがまりの全力なの?」
「ええっ早い!」
罰ゲームだけは避けなくちゃっ
恥ずかしいから…。
と言うか…ククルが叩きたいだけなんじゃないのかな?!
「あうっ!」
後ろから抱き締められ捕まってしまった。
「捕まえた。まり、走る姿も可愛かったよ」
「うう…」
がっくりする気持ちになるけど、ククルの直の体温が暖かくて心地よかった。
「さて、あの岩場とか人が居なそうだね」
にこー。
そうやって笑ってるククル。
「っ…//あの、ククルがペンペンしたいだけ、なんじゃないのぉ?」
私が言うとククルは目をぱちくりさせた。
そんな表情も素敵だった。
「ふふ、まりにしては鋭いね
そうだね。俺、Sっ気あるみたいで、隙あらば叩きたいって思ってるよ?」
爽やかな顔で認めた…。
漫画で読んだことある。Sっていじめるのが好きな人のことだよね?ククルがそんな酷い人だったなんて…。
「…まりは、Mだけどね」
「M?」
「いじめられるのが好きでしょ?
勿論、怖い虐めじゃなくて、甘いお仕置の事だけどね」
「…っ///」
この間の事で自覚して、当たってるから、顔が熱くなる。
私ってMだったんだ…。
ククルが言うのが本当なら、ククルのSは酷いものじゃないのかも。
「ほら、納得したら行くよ?
罰ゲーム、タイム。」
ふふっと笑って私をお姫様抱っこするククル。
すごく楽しそう。
かと言う私も…
期待に胸をドキドキさせてるのが分かった。