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20XY年1月1日 東京ドーム
ライブは、MCに突入していた。
「すみません、落ち着いて聞いてほしいんですけど、実は今日、東京ドームに爆弾が仕掛けられていたそうです。」
客席がザワつく。
「でも、もう解除されています。僕たちも今知ったことだったんですけど、既に警察を呼んで他の爆弾が無いことが最新技術により確認されたので、ライブは続行します。また、爆弾の解除に尽力してくれた5人の中学生がいるそうです。なので、もしかしたら会場を動き回ってたかもしれませんが、許してあげてください。」
20XY年1月7日 国分寺市 A中学校
あれから私たちは、警視庁から感謝状をもらったりと、一躍時の人となった。
そして迎えた、3学期の始業式の日。
私たち5人は、朝、学校の相談室に呼ばれた。
そこに先生はおらず、テレビが置いてあった。
『あなたたち、凄かったわ!』
「立川!?」
『ご褒美として、あなたたちの罪を被ってくれる人を用意しておいたわ。その人は借金取りに追われていて、刑務所にいたほうがマシなのだそうよ。これから出頭するって。』
「ありがとうございます。」
私たちが犯した罪とは。
班員であった平良陽人くんの殺害と死体遺棄。
去年12月11日、掃除中に男子がケンカして、誤って階段から突き落としてしまった。
それを学校の裏に埋めた。
私とあかりちゃんは止めたのだけれど…
平良くんは今、行方不明の扱いになっている。
『ただ、次にこんなことをしても、助けないからね。』
「分かりました。」
「二度とやりません。」
『それで良し。じゃあ、教室に戻りなさい。遅刻するでしょ?』
「ちょっと待ってください!あなたは、誰なんですか?」
「あなたたちの心の友…とでも言っておきましょうか。」
そう言って立川が微笑んだ。
その笑顔には見覚えがある。
平良くんのお姉さん、涼香さんだ。
私が小学1年生の時、私のお世話をしてくれた担当の6年生が涼香さんだった。
「李子、教室に行きましょう。」
「うん!」
教室に入ると。
「お!英雄たちじゃん!」
「本当凄いよね!」
褒められて、なんだか照れくさかった。
それからしばらくして、捜査のために掘り起こされたうちの学校の裏からアンモナイトの破片らしきものが出てきたのは、また別の話。