「ばに、ちゅっちゅって何?」
ゲーム中にCPTから質問された。
「ねずみ?ミッ○ーマウスの真似?」
その言葉に吹き出しそうになりながら
「ねずみじゃなくてキスの事だよ」
へ〜と言いながらちゅっちゅ…と小声で呟いていた。
「ばにばに〜」
「どうしたのー?」
こうやって呼ぶ時は大体俺等の関係に何か関する事だ。
「今度さ、ばにとちゅっちゅしたい」
普通にキスって言ったらいいものを、と思っていたが心の隅で可愛いなと思うvanillaだった。
「いいよ、あんまりそういうこと出来ないもんね」
「やった〜!」
彼のこういう所、ずるいなと思う。
断ったら悪い気がしてしまうのだから。
まぁ、vanilla自身もその気持ちはない訳ではないのだが。
『CPTから新着メッセージがあります』
『ばに、ちょっと遅れる!ごめん』
『大丈夫だよ、さっきも忙しかったっぽいし』
ハムスターがわ〜いと喜んでいるスタンプが送られてきた。
女性よりもあざといの中々凄いなと思いつつ画面に向かってにっこにこのvanilla。
ピンポーンと玄関のチャイムが鳴る。
「入っていいよー」
「お邪魔しまーす」
礼儀もちゃんとしてるんだな、と感心していると
「ばにはぐ〜」
と言いながら両手を広げてきた。
「なんかあったん?」
問いかけながら躊躇する事なく抱きついた。
「なんもないよ、したかっただけ」
えへへと言いながら微笑んでいるCPTを思いっきり抱きしめた。
喉から出そうな言葉を頑張って押し込んでいると
「ばにぽかぽかだ」
「ぽかぽかか…」
可愛いが溢れてそれしか口に出来なくなってきた。
「…ばにまた可愛いって思ってるでしょ」
不貞腐れたような声が聞こえてくる
「バレた?」
「鈍感じゃないもん分かるよ!!」
むっとしながらハグをやめて恋人繋ぎをしてきた。
「僕だって男なのに…」
「か…かっこいいから安心しな」
危うくもっと機嫌を損ねるところだった。
「ふぅん…」
多分バレているが。
すると壁に押し付けられた。
「え、何?」
少し焦っていると
「ちゅっちゅする約束」
と言い顎を上げられ、マスクを下ろされ、軽いキスをした。
見なくてもわかるくらいに顔の温度が上がった。
「ばに、可愛いよ」
優しい目でそう言われて、これ以上は無理だと思い逃げ出そうとしたら抱きしめられた。
「し、CPTちょっと…!」
「焦ってる?可愛い〜」
甘い声でvanillaに抱きつきながらそう言う。
CPTも少し恥ずかしい所もあったが、自身の彼氏が羞恥な無くなるくらいに愛らしかったので顔にはあまり出ていなかった。
「もう…あ”ー…」
vanillaが両手で顔を覆ってしまい、ほぼほぼいつも隠れている顔がさらに隠れてしまって落ち込む。
「ばにー…?可愛い顔みせて…?」
どんな物でも表現出来ないくらいに声が甘くなっている。
その声が普段なら可愛いのだが今の状況ではやめて欲しい気持ちがあった。
そんな風におねだりされ続けて最終的に床に座り込んでしまった。
やりすぎたかな、と思い
「ばにいやだった、?…ごめん」
愛らしい人に頭撫でながら謝った。
「嫌じゃないけど…やるならやるって言ってからやって欲しい…」
と言い、マスクを戻しまだ赤く染まっている頰を隠した。
「ばに…言ったら何回でもやっていいの」
その可愛さで痛いくらいに自身の恋人を抱きしめた。
「な、ダメに決まってんでしょ…」
急に強く抱きしめられて驚いているが、満更でもない顔をしている。
ぼくのばに可愛い、などと呟いているCPTに今度はvanillaが頰にキスをした。
CPTは顔が赤くなっていたが、
「ばに…さっきの口!口にして!!!」
と本心ダダ漏れであった。
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