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   ボクと少女はパルテナに回収され、エンジェランドに戻ってきた。

   この時のパルテナさまはボクたちを見てどこか笑みを浮かべ、「おかえりなさい、ピット」と、帰ってきたピットを迎える。


「た、ただいま帰りました…では無いですよ、パルテナさま!?」

「……?」


   よくよく見れば、ピットの隣にいた少女もエンジェランドに連れてきてしまった。これもパルテナの仕業だろう、と。


「あのー…パルテナさま?この子も一緒ってことは…もしかして…」

「はい。話そうとしましたね?ピットが天使だということを」

「…!?」


   少女の驚いてる表情を見てパルテナは即座に奇跡を解除し、ピットの背中になんと…純白の翼が姿を見せたのであった。


「あ…」

「ごめんね。びっくり…しちゃったよね?ボクが天使だってこと…」

「地上の人々にボクが天使だということは掟というか…秘密なんだ。」

「だから……」

「……」


   ピットの話を聞いてるのか聞いてないのか、微妙な点。せっかくなので少女のカラダを洗いに温泉に行ってこいと言われ、2人は温泉の前に来てピットが女の子である彼女のカラダを洗うことに。


「(ボクが女の子のカラダを洗うことになるなんて…パルテナさま以降だよ。)」

「(相手が女の子だからって引くわけにもいかないし…しっかり洗わないと!)」

「洗い心地はどう?少しはいい気分になった?」

「……うん。」

「そっか。」


   彼女の髪色がピンクなことに驚き、思わず一目惚れしそうなほど、心臓が少々高鳴るも名無しである少女にバレぬよう、胸の奥に閉まっておこうと。


「キミの髪…洗い流してみるとキレイだね。ちゃんと手入れとかはしてるの?」

「……」

「あ、そう…だよね。家族とか…いないんだったよね?ごめん…寂しい思いさせちゃって。」


   これしき大丈夫だとピットに頭を振ってみせる。本人は理解したのか、パッと明るく微笑む。

   30分頃、ついにピットと…キレイになった彼女の姿がパルテナの瞳に映り込む。


「まあ!可愛らしくなりましたね…」

「それが本来のあなたの姿…と言った所でしょうか」

「い…はい!このご恩は忘れません!えっと…いかにも神様っぽいあなたのお名前は…?」

「(急に…テンション高っ)」

「光の女神・パルテナと申します。ピットの加護を行ってます。主にあらゆる奇跡などもお見せできますが…それはまた後ほど。」

「女神!?ピット…って私の隣にいる天使様ですか!?」

「ちょ…そんなこと言っちゃ、ボクが恥ずかしいじゃないか!//」

「あら?いいことではないですか。」

「ピットに一目惚れ…なんて珍しいですし」

「あれ?パルテナさまは違うんですか?」

「そう見えますか?ピット」

「え、えぇっと…(答えに困るなぁ…)」


   天界で言う2人の漫才をじっと見てる少女は首を傾げながら自分だけ仲間外れだと思い込んでしまっており、ムカッと。


「あ、そうだ!パルテナさま!この子、名前が無いんですよ。オマケに家族とかも…捨て子…と言いましょうか」

「それは可哀想に…。

なら、ピット。あなたが名前を付けさせてみては?」

「えぇッ!?ボクが…ですか!?」

「あら、ダメだったかしら?」

「い、いいえ。とんでもありません!名前が無い子を見捨てる訳にも行きませんし!」

「私に名前…ですか?ピットさまなら大歓迎です!!」

「いや、さすがに様付けは恥ずかしいよ…///」

「普通に呼び捨てで構わないし、あと敬語じゃなくタメ口の方が互い、話しやすいしね」

「……ピットさま!敬語は元からです!」

「(ほ、本当…さっきまでの元気のなさはどこに行ったのやら…)」

「わ、わかったよ。あ!」


   ついにピットは少女に新たな名を名付けようと判明した。パッと閃いたような顔で改めて少女の顔を見る。


「キミの名前…思い付いたんだ。」

「今日から君の名は…」

「(気のせいかしら。あの映画が思い浮かんできて…)」

「“ハナ”だ!!割といいセンスだとボクは思う!多分… 」

「ちなみになんだけど、意味は…その…単純に…植物の“花”をカタカナにしてみただけなんだ。もし、気に入らなかったら他の名前考え…」

「いえ…ノープランですッ!!」

「ハナ…心地よい香りが漂ってくる感じがします。気に入りました、それ!」

   それを聞いたピットとパルテナは穏やかに微笑み、少女の名は今日からハナと名付けられ、テンション爆上がり。これからの出会いなども待っているだろう、でも今は…エンジェランドを満喫したい。その気持ちが在り来りだ。

「ハナはこの後、どうするおつもりでしょうか」

「私……エンジェランドで暮らしたい…暮らしたいです!!本気で!」

「ボクは大歓迎…だけど、パルテナさまは…」

「何を言うのですピット?もちろん、ハナ…大歓迎です。しばらくの間、よろしくお願いしますよ?」

「え、いいのですか!?ありがとうございますありがとうございます…!!」

   何度もぺこりと頭を下げるハナにピットが両手を出しながら頭を上げてと優しく止めてあげる。まるでそのやり取りは兄妹…家族みたいに。

「その代わり、家事など…やらせますが…それでも良いのなら、」

「構いません!ドンと来い、です!」

「ポジティブだなぁ…どっかの誰かとは違って」

「誰か?それってだ…」

「あー、気にしないで!まだキミに話すには早い…から」

「(危ない危ない…ブラピのこと話したら真っ先にどこかに飛び出していきそうだったから…焦ったァ。)」

「お話の最中、ごめんなさい。今夜、寝床ですが…残念ながらお部屋がピットのところしかなくて…。ハナ、それでも良いですか?」

「良いですよ!ピットさまのお部屋…ワクワク!」

「え、えぇ!?!」

「どうかしましたか?そのお顔は…なにかご不満でもあるように見えますが。」

「そそそ、そんなことはありませんよ!ご冗談はよしてくださいよ、パルテナさま…は、ハハハ…」

「そういえば、ピットさまって飛べたりは…」

「それは……」


   その話についてはピットの部屋で話そうとパルテナだけを残し、ハナに部屋を案内しようとようやく廊下を歩き始める。

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