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部屋に来訪した2人はベッドの上へと座る。
まず、口を開いたのはピットから。
「キミだけに話すね、このこと。」
「はい…。」
唾を飲み込むとすぅ〜っと深呼吸。
「実は昔から…なんだ。飛べないのは、ね?」
「まだボクが幼い頃、かな。
小さな翼でどんなに羽ばたいても…何度も努力しても…結局無駄だった。こんなボクが空を飛んでも…なんて思ってたら、そこへパルテナ様がやってきて…ボクの加護として拾ってくれたんだ。あの時は本当嬉しかった。飛べないのは辛いけど…でも、パルテナ様の奇跡のおかげで5分間だけ飛べるようになって…夢にも思わなかったよ。本当に」
「そうだったのですね…うぅ…」
「え、!?なんでキミが泣いて…ぁわわ…大丈夫、大丈夫だよ!ボクは…ほら、なんともないからさ!ね?」
「あ……もしかして。代わりに泣いてくれてる…?」
「は、はひ……」
彼女の目元から本当の涙が溢れ返っていた。ピットの飛べない理由を耳に、辛いことを一人で乗り越えてきたその勇気に感心することしか出来ず。
そんな彼女を優しく頭を撫でる。そこまで心配してくれたのだと心の底から微かな笑みを浮かべ。
「ありがとう。ボクのために…泣いてくれて。」
「泣きますよ!!泣きます泣きます…」
「ピットさまと違う箇所は翼、ですから」
翼、という言葉を聞いてピットはハナの背中を見やる。
確かに彼女の背中には翼とかは生えていない。生身の人間。いつか、あなたがお空の上へ連れて行ってくれることを願って。
その時、頭に着けているピットの月桂樹から取り込み中だったか戸惑いながらパルテナから夕飯の支度を頼まれたようでハナに一声かけると今いる部屋を飛び出して…
「夕飯ならこの私にお任せ下さい!」
ピットの目の前に来て得意げな表情を見せていく。
「え?でも…」
「ちなみに、料理の腕前は…?」
「プロ級…では無いですが、家で何度か作ったことあります!だから安心して任せてください!」
「うーん…じゃあ、せっかくだし…お願いしようかな」
「でもケガだけは気をつけてよ?もし火傷とかしたらパルテナ様かボクが助けるから」
「わあ!ありがとうございます、!」
この後、パルテナにはピットからハナ自ら、調理してくれると言ってくれたようです。ありがたや…ピットさま。
完成した際には3人がテーブルに着いて食事を始め、いざ試食。
「まあ!このお魚…しっかり煮込んでて美味しいですね!」
「ホントですよね!ハナって料理上手なんだね!ボクより上手いよ!」
「え〜、そうですか?自信はそこそこありますけどぉ」
フフとパルテナが微笑。いかにも2人はどこか似ていると心の底で思っていたり…?
と、パルテナが何か思いついたように両手を叩き、次の言葉を述べる。
「この後、お二人でお風呂に入ってきてはいかがです?」
「え?でも…でもですよ?パルテナ様」
「さすがに男女入ったら……」
「入りたい!!私は入りたいです…ピットさまと」
「ということなので…行ってらっしゃい」
パルテナに言われてはピットとハナの2人で入るしかないと彼女に手を奪われ、強制連行されていく。
そして、風呂場へと到着。2人で何らかの雑談を済ませたあとのことだった。
神殿外から誰か来ているとパルテナの命令に従い、神殿前へ正体を確認…ピット自身、わっと驚いた。なぜキミが…こんな真夜中に来たのかを知りたいがために。
「よう。」