「届かない手」
部屋中に響く目覚まし時計の音。
しばらくしてふと気づいた。
♡「あれ…?今って…何時…? 」
私は慌てて時計を確認し、準備に取り掛かる。
なぜなら今日は高校の入学式だから。
それに友達も待っている。遅れてはいけないのに!
♡「やばいやばい!!遅刻ーっ!!」
☾「も〜!ゆづき心配したんだから!」
彼女は一ノ瀬 ことね。
勉強は学年でも上位。 運動神経もかなりいい。
モデルのように細く、顔も整っている。
いわゆる完璧な女の子。
♡「ほんとにごめんっ!」
☾「大丈夫!ゆづきが無事でよかった!」
☾「ねえゆづき!今日の放課後カフェ行かない?」
♡「え!もちろん行こう!」
私はこんな日々を充実している。
♡「あ!そうだ!プリクラとかも撮…」
私がことねの方に振り向いた時。
ことねがホームに落ちる瞬間だった。
☾「ゆづきっ!!」
私は何が起きたのか分からなく戸惑った。
♡(まだ間に合う…!!!)
私は手を差し伸べた。
でも、その手は届かなかった。