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🐼
「っ…(伸び)」
朝…かな…。
チラッ
🐼
「…きりやんの服…。」
俺は今日も、きりやんのもので溢れている
部屋で、目を覚ました。
🐼
「…歯、磨きにいこ…」
一つのコップの中に、2本の歯ブラシが
入っている。
水色の歯ブラシを手に取って、
黄色の歯ブラシを見つめながら、
歯を磨いた。
🐼
「…あぁそうか」
「全部…全部、夢じゃなかったんだ…。」
きりやんが、いなくなっちゃった。
夢だと思った。
…いや、夢であって欲しかった。
きりやんが…俺の近くにいない…。
今日、サーカスの公演をするのはやめよう。
たまには、休んでいい、よね、。
そう思って、また布団に入る。
大きなベッドの上にある二つの枕。
きりやんがいつも寝ていたほうから
まだ、微かにきりやんの匂いが残ってる。
🐼
「…夢ならいいのに」
そう布団の中で唱えても、
寝ることなんかできなくて、
時間が進まないこの世界で、昼が過ぎた。
1人の時間も、ずっと、君のことばかり
考えてた。
そうでもしないと、不安で押しつぶされそうだから。
きりやんは、俺のこういう性格が
嫌になっちゃったのかな。
_____…
ぷつんと糸がちぎれてしまう音がした。
俺は気づいた。
それは、
俺ときりやんを繋いでいた赤い糸。
彼が
このサーカステントから出て行って。
俺じゃない人と結ばれた糸に変わったような気がした。
今まで、“団長”と“ピエロ”の
最高のパートナーだったのに。
時間が経つにつれて、思い出が色褪せていく。
でも、もう戻れないから、
俺は、
🐼
「サヨナラ」
と呟いた。
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コメント
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神作の予感…‼︎