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次の日の放課後、私はテニス部の練習を終えて部室の前で一息ついていた。
(今日も疲れた~…)
そんなとき、ふと視線を感じた。
「……。」
目を向けると、広瀬先輩が部室のドアにもたれかかって、じっとこちらを見ていた。
「えっ、先輩? どうしました?」
「帰るぞ。」
「え?」
急な誘いに驚いたけど、私は急いで荷物をまとめて先輩の隣に並んだ。
(え、もしかして…先輩から誘ってくれたの!?)
***
帰り道。
いつもは気まずくなることが多いのに、今日はなんだか静かだけど落ち着いた雰囲気だった。
「あの、先輩?」
「ん。」
「昨日、私のこと意地悪って言いましたよね?」
「言ったな。」
「でも、それって…私が先輩のことを気にしてる証拠だと思いません?」
「……。」
先輩の足が一瞬止まり、私はニヤッと笑った。
「だから、これからもずっと先輩の隣にいてもいいですよね?」
「……勝手にしろ。」
「ふふ、やった!」
先輩は相変わらずそっぽを向いたままだったけど、ほんの少しだけ耳が赤くなっていた。
(先輩、やっぱり可愛いなぁ…)
そんなことを思いながら、私は嬉しそうに先輩の隣を歩き続けた。