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【参加型】深淵

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【参加型】深淵

第23話 - 第23話　変貌

176

2025年05月17日

#SUBくん

#一次創作

#参加型

#井戸

#異世界

SUB

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地下室の薄暗い空間に、かすかな吐息が響く。

冷たい鉄格子の向こうで、威厳を失った男、ガラ・スーグが横たわっていた。顔は蒼白く、その瞳には強い意思が宿っている。

対面には細身で冷静な灰階評議官、ミルゼ・ラウト。

彼の瞳はどこか儚く、だが深い慈しみを湛えていた。

「……ミルゼ。もう時間はないようだな」

ガラの声はかすれ、唇は震えていたが、どこか穏やかだった。

「ガラ殿、貴方はよく戦った。貴方の意志は、護井会に刻まれている」

ミルゼは細長い指でガラの手をそっと包み込む。二人の距離が縮まる。閉ざされた空間でただ二人、世界から切り離されて。

「ミルゼ……俺は……いや、俺は真実を伝えねばならない」

ガラの眼差しがわずかに揺れた。

「……コードAQUAは、先代統治者の姉が作った……」

その言葉はそこで途切れた。

ガラの身体はひきつり、魔物へと変貌を遂げる。黒く変色し、骨は膨れ上がった。呻き声が壁に反響し、粉塵が舞い上がる。

「ま、待て！ガラ殿！」

ミルゼの声が震える。

だがもう遅い。

魔物となったガラは、排気口へと這い寄り、その爪で鉄格子をこじ開け、地下室の闇へと姿を消した。

ミルゼは無言で目を閉じた。

一分間、世界が静寂に包まれる。

そして、ゆっくりとその瞳を開け、彼は呟いた。

「神よ、ガラを……どうか、安らかに」

闇の中へと飛び出したミルゼは、まるで一つの影が舞うかのように軽やかに、魔物となった旧友の跡を追う。

「この手で――必ず、お前を討つ」

風のように切れ味鋭く、刃は冷たく光る。

その背中には、救えなかった悲しみと、揺るがぬ決意だけが宿っていた。

──果たして、二人の運命は。

ガラさん↓