第23話「呪縛からの解放」
怖い?
リコが?
びっくりして固まったりはしてるけど、怖いものがあるなんていうのは……意外だ。
「怖いって……何がだよ? リコにも怖いものなんてあるんだな」
「うん。うっちゃんもずっと知らなかったんだよ……こわい、なんて」
でも、とリコはしっかりした声で続けた。
「あのとき――うっちゃんが、勘違いでナオミに怒っちゃったとき」
リコが怖かったのが、あのときのことって――どういうことだ?
「うっちゃん、すごくこわかった。よくわかんなかったけど……でもこわかったの。胸が苦しくて、熱くて……ナオミに何か言わなきゃ……うっちゃん、死んじゃうような気がして……」
死んじゃう――なに、言ってんだ?
「でも……ミツハルが止めてくれて、やっと勘違いだってわかって……だいじょうぶになったんだけど」
「なら」
「でも……また、あんなにふうになったら――」
。。。