⚠️注意 🇬🇧(♂)×🇫🇷(♀)のNL
なんでも許せる方向けです!!
ノベル初挑戦なので暖かい目でご覧ください…
フランス視点
フラ「あ〜もう!!天気予報の嘘つき!!」
私は今、最悪な目に遭っている。朝確認した天気予報は一日中晴れだったはずなのに、外に出かけてちょっとしたら大雨である。それに加えて傘を持ってきていない。
フラ「どこか雨宿りできるとこ無いかなあ…」
雨の日はあんまり好きじゃない。なぜなら、一気に憂鬱になって、気分が乗らなくなるから。絵の題材にはなるけどね。
このままではずぶ濡れになってしま……いや、既にずぶ濡れになってるけど。とりあえず雨を凌ぐための場所を探そう。濡れているところにやや冷たい風が当たる。さ、寒い…
しばらく歩いて周りを見回していると、聴き馴染みのある声が聞こえた。
イギ「おやおや。これは…フランスじゃないですか。」
そう。あのブリカスことイギリスだ。
フラ「イギリス!?あんたなんでここにいんのよ!」
イギ「何故と訊かれましても…ただの散歩です。」
相変わらず彼は余裕に満ちた表情を崩さない。上質な黒い傘を差し、上質な黒いコートを身にまとっている。あとお馴染みの黒いハットも。なんか真っ黒だなあ…
イギ「こんな大雨の中誰にも会わないだろうと思っていたんですが、偶然貴女がいたのでね。」
フラ「あっそ。邪魔して悪かったわね。」
そう言ってぷいっと背を向ける。こいつとは昔からの仲で、いつも小競り合いばっかりである。でも、たまに結構仲良かったりするし…こいつが私のことをどう思ってるのかは、いまいちよく分からない。
すると、今まで体に打ち付けられていた雨粒が止み、周囲にうっすら黒い影ができる。
フラ「…?」
後ろを振り返ると、イギリスが差している傘の中に私を入れていた。
フラ「きゅ、急に何よ?」
イギ「いえ別に。傘くらい普段から準備していたらいいのにと思っただけです。」
フラ「大体『英国紳士は傘を刺さないものだ』とかぶつぶつ言ってたくせに…」
イギ「おっ、よく覚えてますね。」
フラ「当然よ。あんたとどれだけ付き合い長いと思ってんのよ…」
彼は「まあそうですね」と言わんばかりに微笑する。
っていうか…
何この状況!なんで私がこのメシマズと相合傘してるみたいになってるの!
きょ、距離がやばいくらい近いし…嬉しいはずないのに、何故か高鳴る鼓動がうるさい。
イギ「おやおや。随分と顔が赤くなってますね?」
そう言いながらイギリスが私の顔を覗き込んでくる。さっきより語尾が上がっていて、上機嫌そうな話し方。
イギ「ほ〜。もしや、照れてるんですか〜?あの貴女が?」
フラ「は、はあ!?なわけ!!」
う、うそでしょ??や、やばい…意識するたびに顔の表面がみるみる火照っていく。
イギ「全く…もう少し素直になれないのか…君は」
その時、腰に手を添えられ、勢いよく抱き寄せられた。
フラ「…!?!?///」
イギ「ほら照れた。」
フラ「ちょっ!!きもい!何すんのよ離してっ!!」
イギ「きもいとは失礼な…」
突然の事にじたばた抵抗しようとしてみるけど、しっかりと抱かれているため動けない。
せめての意で睨みつけていると、彼は切れ長の目を優しく細めてこちらを見つめ返してくる。
イギ「ま、そういうところも君の可愛い所ではありますがね。」
フラ「か、かわ…!?!?」
イギ「おや、その反応を見るに嬉しそうですね?」
フラ「う、うっさい…」
急に何を言い出すの!?こいつのことだろうから私を揶揄うのが楽しいんだろうな。
ああ…全部心を読まれてる気がする…ここまできても私が強がってるのはバレバレなのかもしれない。
イギ「まあ、随分と体が冷えているようですから、しばらくはこのままでいなさい。」
フラ「はあ!?嫌よ!!」
イギ「…それとも風邪をひきますか?」
フラ「ッ…それは…てか!それ以外にも方法はあるでしょうが!」
イギ「はいはい」
ああ〜!腹立つ!!
でも…まさか本当に、イギリスが私の事好きとか…?
イギ「どうせなら、今夜うちに泊まっていきますか?」
フラ「?なんであんたの家に?」
イギ「ここから一番近い家は私の家ですよ。大体、貴女に風邪をひかれては困るのでね。」
イギ「それとも私が、愛する人を放っておくような男だと思ってるんですか?」
フラ「っ…!?///」
フラ「ほんと!そういうとこ…!!///」
イギ「決まりですね。ほら、行きますよ。」
フラ「…うぅ///」
そう言って彼は私に、さっきまで着ていた黒いコートを被せた。暖かい…
普段はなかなか見せないその純粋な笑顔は、なぜか懐かしい気分になった。
フラ「ね、ねえ!イギリス!」
気づけば私は、動こうとするイギリスの服の裾を掴んで呼び止めていた。
イギ「…なんですか?」
フラ「その…」
フラ「やっぱり、もうちょっとだけ…このままでもいい…?」
もしかしたら…いや、きっと私は昔からこいつの、イギリスの事が………
“好きだったんだ。”
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イギ「……ずっと雨の日が続けば良いんですがね。」
コメント
2件
普段見ないカプだからめっちゃ嬉しい!イギフラあんま無いのなんで?!いいじゃん!