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蜂谷は暗闇の中、意識を取り戻した。
頭が痛い。
脚も、腕も、全部痛い。
「――――っ!」
四肢の自由が利かない。
蜂谷は目を見開いた。
外から漏れる街灯にかろうじて浮かび上がった自分の身体は、いつか自分が右京にしたのと同じように四肢を椅子に拘束されていた。
しかし縛っているのは滑りがよく伸縮するようなネクタイではなく、SМプレイで使うような革製の手錠だった。
「蜂谷君、起きた?」
暗闇に慣れてきた目に、先ほど見た仮面が浮かび上がる。
「ごめんね。でも大人しくしててくれたら、乱暴なことはしないから」
中央の女が、申し訳なさそうに呟く。
「―――お前ら、誰だよ…」
蜂谷は3人を見上げた。
「なんでこんな……」
と彼女たちの後ろにも誰かがいるのが見えた。
「――――っ!」
暗闇の中に学園祭で見たミナコちゃんの面が浮かび上がる。
3つ……いや、5つだ。
5人の男たちがこちらを見下ろしている。
「……どこの誰かは知らねぇけどな……」
蜂谷は今度はミナコちゃんを順に睨みながら言った。
「俺はどんなに傷つけられようと、ボコられようと、絶対にお前たちに復讐するぞ。どんな手を使っても探し出して、その時は死んだ方がマシだと叫ぶくらいの苦痛を与えてやる……!」
とても冗談には聞こえない蜂谷の凄んだ顔を見て、ミナコちゃんたちは顔を見合わせる。
「今ここで殺しとかないと、お前たちが地獄をみるぞ。でもお前たちに俺を殺す度胸があんのか?」
あまりの迫力に困惑したミナコちゃんたちが一歩下がる。
「女!てめえらもだぞ…!一生嫁にいけない身体にしてやろうか!?」
蜂谷は女たちに視線を戻した。
「嫌だったら、今すぐこのふざけた拘束を解け!」
言い放つと、少し離れたところから、拍手が聞こえた。
「おーこわ。もしここに俺がいなかったら、こいつら尻尾まいて逃げてたかもね?」
「――――っ!」
蜂谷はその方向を睨んだ。
「………やっと出てきたな……永月!」
暗闇の中近づいてきた彼は、昼間生徒会室で会ったときと寸分も変わらない爽やかな顔で微笑んだ。
「全部お前の仕業だって尻尾を掴んでやろうと思ってたけど、いきなり本人登場とは、無駄な手間が省けたな」
蜂谷が笑うと、永月は一瞬驚いたような顔をして見下ろした。
「全部って?」
「とぼけるなよ……!学園祭で右京を襲わせたのもお前だろうが!」
言うと彼はふっと笑った。
「ふふ。なんでわかったの?」
「なんでって!封筒だよ。お前の精液つきの封筒!お前が買ってたって文具屋の店員が教えてくれたんだよ!」
言うと、彼は記憶を巡らせるように天井を見上げた後、「ああ!」といって手を叩いた。
「君が連れてきたあの女!どこかで見た顔だと思ったら、あのブスな店員かぁ……!」
言いながら微笑む。
「それで?そのこと右京に話した?」
「――――」
「言ってないの?言えばよかったのにー」
永月は微笑んだ。
「あいつはあいつで、お前のこと疑ってたんだよ……!」
「ああ……字のことで、でしょ?」
永月は笑った。
「あれ、わざとなんだ。右京が二度と、俺を疑わないように……」
「……なんだと?」
「人ってさ、無意識のうちに黒か白かを決めたがるでしょ。
だから、一旦、俺をわざと黒だと疑わせる。そして俺があいつを好きだと告白することで、自分が俺を疑っていると、右京が俺に言わざるを得ない状況を作る。
そこでそれを真っ向から否定する。
右京は俺は白かもしれないと思うようになる。そうすると、俺が白であることで、オセロのように黒くなるのは、お前の方だ」
永月はククッと楽しそうに笑った。
「冷静に考えれば、“ピッチ”のBGMだって、拐うときのタイミングと取り方だって、俺にしかできないってわかりそうなものなのにね」
「このゲス野郎……」
蜂谷は永月を睨んだ。
「そこでさらに、“出納帳”の追い打ちだよ。お前が最低な奴だとアピールする」
と、3人並んでいた女子生徒の一人がおもむろにカツラと仮面を取った。
「―――やっぱりお前か。響子」
蜂谷が視線をそちらにずらすと、響子は赤い舌をペロリと出した。
「私を駒扱いした罰よ」
「まあまあ、熱くなんなよ。過去のことだ」
永月がその肩に腕を回し、響子はうっとりした顔で彼を見上げる。
その手が響子の白シャツのボタンを外し、ぐいと指を中に突っ込むと、
「んんっ…」
響子から甘い声が溢れた。
「――――」
睨み上げる蜂谷を、永月が見下ろす。
響子の胸元に突っ込まれた手が動くたびに、彼女が着けている派手な下着が白シャツに浮かび上がる。
ブラの中まで突っ込んでいるらしい指の動きに合わせて響子の艶っぽい声と、荒い息遣いが漏れる。
「ーーー羨ましい?」
永月がこちらを見下ろして笑う。
「―――誰が……!」
蜂谷が睨み上げると、
「興味ないか。話じゃお前、何人もの女に手を出してるみたいだからな?」
言うと永月は笑いながら視線を落とした。
「―――でもどうやら、お前のソレは、余裕ないみたいだけど?」
蜂谷は永月の視線につられるように自分の下半身を見下ろした。
「………?なんで………?」
両下肢を縛られ拘束されている下半身の中心で、蜂谷のソレは痛いほどに腫れあがっていた。
「勃起不全薬。眠ってる間に喉に流し込ませてもらったよ」
言いながら永月は、もう片方の手で青い粒の薬を蜂谷の前に翳した。
「まあ、俺は残念ながら処方されたことがないから効果は何とも言えないけど、どうなんだろ。ねえ?響子」
響子は胸を愛撫され、とろんとした表情で永月を見つめた。
「よくわかんないけど、すごいってお友達は言ってたわよ」
「はは。だってさ。響子のお友達に感謝だね、蜂谷」
永月が視線で支持をすると、2人の女子生徒たちが蜂谷の脇に回った。
「―――なんだよ…?」
仮面から僅かに見える目を睨み上げると、彼女たちは恐る恐る蜂谷のワイシャツのボタンと、ベルトを外しだした。
「おい……!」
蜂谷が叫ぶが、正体不明の女子生徒たちは戸惑いながらも作業を続けていく。
あっという間にボタンを外し、ベルトを緩めると、中のインナーを捲りあげ、ズボンのチャックを下ろした。
「ここにいる2人はね、お前のことが好きで好きでたまらないんだって」
永月は響子の腰を引き寄せると、シャツのボタンをあっという間に外し、その露になった胸に顔を埋めながら言った。
「愛する人が多少不幸になろうが、一生に一度、お前とセックスするチャンスを選ぶそうだ」
「はぁ?……うッ!」
女たちの手が胸の突起と、パンツの中で硬くなっている先端にそれぞれ届いた。
「今からこの2人には、お前とセックスをしてもらう」
言いながら永月は響子から手を離すと、女子生徒の後ろに回り、シャツのボタンを外し始めた。
ピンク色の下着が露になり、女子生徒が恥ずかしそうに顔を背ける。
「避妊具は付けないでね」
「―――そんなことしたら……」
「妊娠するかもって?大丈夫。彼女たちはすでにピル飲んでるから」
「――――」
蜂谷は永月の真意がつかめず、眉間に皺を寄せた。
「事後、彼女たちにはお前に無理矢理レイプされたと、弁護士事務所に駆け込んでもらう」
「―――なん…だと?」
「被害者の人権は守られる。彼女たちのプライバシーは露呈しない」
永月は笑いながら女子生徒のブラジャーのホックを外し、それをまくり上げた。
「あとは弁護士から内容証明が届き、蜂谷家はパニックになる」
「……んんっ!」
先端を強く摘ままれ、女子生徒が高い声を上げる。
「これでお前は、終わりだ―――」
「――――!」
ギリッと奥歯を噛みしめながら蜂谷は永月を睨んだ。
「大丈夫。この子たちには被害届は提出させないし、刑事事件に発展する前に、示談にさせるから。犯罪者にはならないで済むよ?」
永月は蜂谷の襟元を掴み上げて顔を寄せた。
「まあお前は……社会的には終わるけど?」
「―――っ!」
噛みつこうと顎を出すが、永月は笑って避けると、胸を晒した女子生徒を後ろから強く押した。
女子生徒がよろめき蜂谷に抱き着くように覆い被さってくる。
「ほら、ヤれよ。お前がヤラないんだったら、もう片方にヤラせるぞ?」
「……………」
言うと女子生徒は決心したようにパンツを下ろした。
「……おい、やめろよ……」
一気に濃くなる雌の匂いに眩暈を覚えながら、蜂谷は顔を左右に振った。
もう一人の生徒が、下ろしたチャックの間から蜂谷のモノを取り出しそれを露出させる。
「やめろって…!!」
その声にビクッと反応しながらも、2人の動きに迷いはない。
正面の女子生徒が蜂谷に跨ってくる。
抵抗しようと身体をばたつかせるが、拘束されたそれぞれの関節が引っ張り合い、体勢をよじることさえできない。
「―――っ!」
もう一人の女子生徒が後ろから手を伸ばし、蜂谷の胸の突起を撫でる。
「……んッ……!」
嫌でも硬くなる先端に、細い指先が滑り、薄い爪が立てられる。
「……くっ…そ……!」
正面の女子生徒が蜂谷のモノを軽く扱き、濡れそぼった自分のそこに押し付けると、ゆっくりと自分の身体を沈めていく。
「く……ああ……っ!」
痛いほどに腫れ上がったソレが、きつい圧迫感と熱に包まれる。
「……永月……!お前、絶対あとで殺すからな……!」
蜂谷は楽しそうにこちらを見下ろしている永月を睨んだ。