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第4話【2】
翌日、俺は目が覚めると目の前に颯太の顔があった。颯太の腕がのっかっているようだ。普通ならドキドキするだろうが、昨日、小説のことがバレてしまったため不安で仕方がない。アカウントを消して、念の為今後は書くのをやめた方が良さそうだ。颯太に嫌われたらと思うと不安で胃袋がねじ切れそうだったがもう消してしまったから大丈夫だろう。そんなことを考えていると颯太が起きてしまった。
「あれ、海斗だ、おはよう、」
「あ、悪い。大丈夫か?」
まだ寝ぼけているようで可愛かった。でもこんな寝起き悪かったか?幼稚園のお泊まり会の時も寝相は悪かったが早起きだった記憶がある。
「颯太こそ大丈夫か?颯太がこんなに寝起き悪いの珍しいし、よく寝れなかったんじゃないか?環境が変わると寝れない人もいるって言うし、」
と言ったことに対し、
「あ、違うんだ、そのー、えっと、、、とにかく大丈夫。ありがとう。」
なんだか焦っているようだった。気の所為だろうか、少し避けられているような気がする。
2日目の自然活動では野鳥観察をすることになっていた。野鳥を見つけても移動を始めても、相変わらず颯太は上の空のようだった。
俺らの班はとても珍しい野鳥を見つけた。俺含め班員はとても盛り上がった。
「颯太、やったな!この野鳥さっき説明してくれた人が言ってた○○○○って鳥だよな!」
興奮気味に颯太に話しかけると、
「ああ、そうだな、」
となんだか素っ気ない態度で返されて少し悲しかった。
この後急に雨が降り出し、班活動は少し早めに終わった。傘を持ってきていなかった俺らはびしょ濡れになってしまったため、中2全員で急いで風呂に入った。
部屋に帰ってからも颯太は俺と距離を置いていた。そんな態度に少々腹が立ったが、今ここで問い詰めると班員の空気が悪くなってしまうといけないためやめておいた。
理由も分からないまま、今までの仲も冷めるかもと思うと腹が立ち、俺も颯太を避けるようになってしまった。
結局、お互いに避けた状態のまま帰ることになった。バスで学校まで帰り、そこから最寄り駅まで一緒に帰ったものの一言も喋らなかった。