「卒業おめでとう、宗四郎」
「ふふ、ありがとうな弦くん」
今日は保科の高校の卒業式だった。終わってからすぐにうちに来てくれた。あのあと保科家は兄が継いだらしい。鳴海はというと組織に反抗してから一年くらい、敵に襲われかけているが全て返り討ちにしていた。そのせいか最近は全く出てこなくなった。時効なのだろうか。
「あぁ、家の件なんやけどな」
家の件とは、保科が自分の家を出ていき、鳴海の元で暮らすということだ。
「家族に話したら、別にうちの雇い人になってくれるんやったら僕の家にいてもいいって」
「じゃあ、もしそうなればボクは今の仕事をやめて宗四郎の家で暮らすのか?」
「せや」
やっと今の職が安定してきたところだ。しかし先のことを考えると保科の家にいた方が良いのだろうか。
「でもな?僕断ってきたんや」
「なんでだ、、、?」
「やって、僕の家だと弦くんとソーユーコト出来へんやろ??」
保科は鳴海の耳にそうぼそっと囁く。鳴海は顔を赤くして保科にキスをする。
「なんだお前誘ってんのか?!」
「ちゃうわ」
コンマ0何秒のツッコミ、さすが関西系の血が入った人。
「んでな、たまに僕が家に言って手伝ってくれれば問題ないって言っとった。せやからそっちにしたわ」
「いいのか、、、?それで」
「言ったやろ?全部一緒や」
そう言ってハグをする。こういう時間が1番幸せだ。
「僕も4月から働かなあかんなぁ」
「宗四郎のスーツ姿か、いいな」
「えっちなこと考えとるやろ?」
「ふっ、当然」
「今までは弦くんに頼り切りやったけどそろそろ僕も頑張らな」
「お前、絶対に変なやつと2人きりになるなよ、襲われる」
「はいはい」
「ボクは本気だが?!」
「わかっとるよ、僕かて子供ちゃうし」
「ボクからみたらお子様だな」
「うるさい