翌日の放課後、僕は件の二人に教室に
残るように昼休みの内に頼んでおいた。
『話しって?』
七尾君に訊かれて僕は昨日の話しをした。
『あ~ あれ見られてたんですか……//////』
佐山先生は僕に見られていたという事実が
発覚して恥ずかしかったのか
耳を真っ赤にして斜め下を向いてしまった。
『野山は普通に話してるが男前同士で
キスしてたとか気持ち悪くねぇの?』
まぁ〈普通〉ならそう思うだろうけど……
「僕は別にそんな風には思わないよ。
極端な話し、二人が
ヤってても気にしないかな」
僕は〈腐男子〉だからBL大歓迎だし。
『な!? 野山君!?』
僕の台詞に佐山先生が顔を上げて
驚いた|表情《かお》をした。
「佐山先生、<抱かれる方>ですよね?」
疑問符を付けつつ確信を持って訊いてみた。
『野山、よくわかったな』
そりゃねぇ?
「だって、七尾君は明らかにが
強そうなだなって思ってたから」
『ぶっ、俺はそんな風に見られてたんだな。
まぁ一颯限定で<ドS>なのは認めるが』
やっぱりね。
『普段、大人しそうだと思ってたが
本当は面白い奴だったんだな。
なぁ、ダチにならないか?
後、下の名前で呼んでくれ』
「僕も七尾君は近寄り難い人だと
思ってたけど案外気さくで驚いたよ。
友達になってくれるの? 嬉しい。
じゃあ、>真貴君<って呼ぶから
僕のことも下の名前でいいよ」
すっかり蚊帳の外に追いやられてしまった
佐山先生も話しに加わって来た。
『生徒同士が仲良くなってくれるのは
教師としては喜ばしいですが……』
『んじゃ、>詩弦<って呼ぶな。
ついでに一颯のことも呼んでやって。
ほら、立場上、自分から生徒に
名前で呼んでほしいとは言い出せないから』
成る程。
「>真貴君<はともかく、
佐山先生のことも下の名前で
呼んでいいんですか?
恋人の真貴君が言っているんだから
嘘ではないんだと思うけど確認は大事だ。
『えぇ、勿論ですよ。
後、敬語じゃなくて大丈夫です。
私も野山君のことを下の名前で
呼んでもいいですか?』
「僕のことはいいんですが
敬語なしというのは……」
真貴君はじめある一定数の生徒は
教師に対してタメ口だけどさ……
「詩弦が困ってるぞ」
真貴君に代弁されてしまった。
『駄目ですか?』
上目遣い!? それは反則!!
「……三人で居る時だけなら」
『ありがとうございます』
何その笑顔……
『根負けたな詩弦(笑)』
本当にね(苦笑)
こうして僕達は仲良くなった。