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※ 死ネタ㊒ 、 長篇 +キャラ崩 ※
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『 どうしたと?急に呼んで。 』
そんな甘い声に自身の心が火照れたとき、
蓮の口角が甘く上がっているような気もした。
「 その、 」
急遽呼び出したものの、呼び出した自分が
恥ずかしくなった。
『 ふふ、緊張せんでもいーよ。笑 』
気を遣うような一言にさらに心が緊張に包まれてしまった。
「 俺…蓮の事が…… 好きです 」「 付き合ってください。 」
誕生日当日にしたい…なんて思ったけれど口と心は待ちきれず
放ってしまったこの言葉。
『 …奨 裙 、 男同士では付き合えないな、。 』
『 ごめんなさい。 』
そう返された。
「 やっぱ…そうよね、ごめん 」
そう謝ってから蓮の部屋から出ようとしたとき、
『 ねえちなみにさ、いつから俺のことすきやったと? 』
「 蓮と初めて会った時よ。あの時。 」
『 ……そっか、気づけなくてごめんね 』
「 ううん、俺が好きになったのが悪かったよ 」
お互いがお互いに謝った。
『 おれたちさ、男同士やけん ______ 』
蓮はそう言って、
身に馴染むさくらんぼの香りがする香水を手に取った。
『 ねえ奨 裙 、さくらんぼって同じ品種同士じゃ
実がならんって知っとる? 』
「 さ、あ…… 分からん、、笑 」
『 さくらんぼって、同じ品種同士を並べたって
実らんのやって。 やけん、違う品種を並べんといけんと。 』
まるで俺の「 付き合ってください 」そんな言葉を
否定するような言葉を放たれた。
「 もう蓮に会うの控える。 」「 会うのやめるね、。 」
言いたくも無い言葉を言わないと。
『 伝えてくれてありがとうね、奨 裙 。 』
そんな優しい瞳で見つめんでよ……。
初めて蓮と会った時、普段とのギャップを目にして
心がフワッと何が変わるような感覚があった
異性でもない同性の蓮に恋をしてしまったんだ。
それに、どこか運命を感じたから。
それから間もなく、数年が経ったこの日
いいタイミングと感じた俺は、人生で初めて人に告白をした
異性でもなく同性に。
蓮は少し時間をとった後、『 おれたちさ、男同士やけん 』
そう口にした。
それ以降、蓮とは連絡が一切途切れてしまった。
毎日押していたあのチャイムだって今では通り過ぎるだけ。
蓮の誕生日まで残りわずか。
そんな時、この世を突然去ってしまった。あの蓮が。
原因は事務所関係者さんとの揉み合い、と。。
詳しい事情を聞き取ることは出来なかったが、後々の話を聞くと
事務所の階段で、社員たちが俺の名前を出して笑っていたらしい。
たまたま通りすがりに聞いていた蓮が、激怒して揉み合いに
なった。
揉み合いの限度が頂点に達した時、社員の方が蓮を
吹き飛ばした。それから蓮は階段に転げ落ちた。
どうして?蓮は何を守ろうとして揉み合いになった?
状況が色々と落ち着いたあと、蓮の家へと向かった。
あの匂いだ。
玄関へ入ると、あのさくらんぼ香りの香水の匂いが鼻を装った。
手に持つ香水はいつもひとつしか無かったのに、
テーブルの上には2人分の香水が並べておいてあった。
『 さくらんぼは、同じ品種同士を並べても実らない 』
なんて言っていたのにさ、同じ物を隣同士に並べてあった。
「 実る……か。 」
けれど、プシュとワンプッシュしたあの香りには
どこかしら蓮の匂いも紛れていた気がした。
さくらんぼには「恋愛のハッピーモチーフ 」「 円満 」という
言葉の意味が込められているらしい。
「 恋愛のハッピーモチーフ 」 「 円満 」。
あのとき、『 男同士では付き合えないな 』という言葉は
おれに向けての発言ではなく、理不尽なこの世の中に向けて
対する、「 異性でも同性同士でも人生を自由に生きよう」
「同性でも円満になれる」なんて言葉だったのかもしれない。_
蓮が守りたかった、そのものは「 蓮の恋人になりたい 」
その儚い、確かな希望だったのかも。______