※没
sha /
おれの初恋の人。
、なにも言わずに離れていった、おれの大切な人。
「……っなんで、」
自然と涙が零れ落ちる。
その涙は、もう止まることを知らないかのように流れてくる。
「、こうなるんなら…ッ好きにならなきゃよかった、っ」
―――――
高校一年生。
入学式の日に代表として言葉を言った人がいた。
彼、──こねしまは真面目そうな見た目をしていた。
主席合格で、顔もよくて、みんなから憧れと好意の目を向けられていた。
、おれはそんなこねしまの事なんか気にもしなかった。
入学式以降はたまに廊下ですれ違うくらいで、
なんの気にもせず、友人たちと一緒にいた。
高校二年生になり、こねしまと同じクラスになった。
しかも、出席番号はおれの前。
、だいぶ予想外だった。
でも……よく考えればこうなることはわかっていた。
名前的に。
「……しゃおろん、やっけ?」
「ぇ、はい」
「俺こねしま!!よろしくな!!」
にこッ、っと笑っておれに話しかける
「よろしくお願いします、」
そう返したら、満足そうに笑って、前を向く。
すこし、心臓がどきどきしていた。
その日からこねしまはおれに話しかけるようになった。
ほんとにくだらないことで話しかけてきた。
「昨日の夜何食べたー?」
とか
「ゲーム何してるん!?」
とか。
ほんまくだらないことだけど、おれにはその話す時間が楽しみになっていた。
、なんでかはわからない、。
気にしてないはずなのに、……興味もなかったのに、。
それから毎日一緒にいた。
毎日話して、毎日笑って、毎日すきになって。
日に日にずっと傍に居たいと思った。
会うたびに笑いかけてくれて、おれの名前を呼んでくれて。
恋なんて無縁だと思ってた
、けど、こんなにも人生が楽しいなんて…、
「、だいすき…、」
いつか伝えられるかなあ、
…、そんなことばかり考えていた。
ずっと一緒にいたい
それがおれの願いだった。
でも、そのおれの願いは叶わなかった。
「~~~……」
SHRで、先生が話していた。
それまでは普通だった。
、でも、先生が急に真剣な顔になって、こっちを向いた。
――否、こねしまの方を向いていた。
「、急だが、こねしまが転校となった。」
「理由は、……まあ本人にでも聞いてくれ。」
「再来週にはもういないそうだ。お礼とか、まあ諸々やってけ??」
教室がざわつき始める。
こねしまへ視線を向けるものもいれば、
なんかご飯いくー? みたいな話をしている人もいた。
そんな中おれは、固まっていた。
思考も停止しかけている。
「、は…?」
いや、……再来週…、?
急過ぎ、じゃない……??
「え、…しっままじなん、?」
「んー?おん」
思わずこねしまに話しかける。
嘘だと言ってくれ、そう思ったけど、真実だと……肯定していた。
SHRが終わり、皆は部活や帰宅の準備をしていた。
、まあおれはしっまを呼び出した。
「、しゃおろんどしたん、?w」
「…わかってる癖に」
「……わからへんよ」
「言葉で言ってほしいわ…!w」
「、ばーか」
「はあッ!?w」
「ふ、っw」
勿論転校のことを聞き出そうとした
「、言えよさっさと。」
「……はいはい、w」
しっまは、転校の経緯について話してくれた。
親の転勤で、新幹線で向こう側へ行かないといけないらしい。
それでこの学校に通うのは難しい、
なら引越しした先で学校に通おう、という結論らしい。
結構前から決まっていたことらしく、手続きなどで
やっと今転校ができるようになったらしい。
「……じゃあなんでおれに言ってくれなかってん」
「、心配かけるわけにはいかへんやろ!w」
「…でもおれは知りたかったなあ、ッ」
勢いで涙があふれた。
周りには幸い人はいなかった。
「、ぁふッ、っ」
「、ぇ…ちょッ……!?」
「ごめん、って……ッ」
不器用ながらも抱きしめてくれた。
しっまの香りは、世界一安心できる。
それから泣き続けた。
しっまの胸のなかで……。
それから2週間はあっという間に過ぎた。
しっまの為に、打ち上げ的なのもやった。
友人と出かけたりもした。
でも、……満足はしなかった。
しっまが転校となる事実に目を背ける日もあった。
、行ってほしくない、っ
それが今の俺の心情だった。
「今日でこねしまの登校が最後となる」
「、まあ、話しかけるぐらいはしとけよー」
「以上。」
そう先生から告げられ、しっまは色々な人に声を掛けられる
「また会おうなー!」「忘れないでね、、、」「お幸せに!!」
ちょっと意味わからんものまで口々に聞こえてくる。
「、……。」
おれは声をかけるのを躊躇った。
このままだとまた涙が溢れてしまう。
……また迷惑をかけてしまう…っ
、
そう考えておれは屋上へ走った。
「、っもう、ッ会えないのか……、」
そういう運命、満足はしてないけど、……理解はしてたはず
なのに、ッ
いざとなると受け入れられない、
そんな自分が大嫌いっ、
「、さぼってるんちゃうぞ、w」
涙を止めようと必死に目を擦っていた、
その時声を掛けられた。
その声は、今おれが聞いてはいけなかった人の声だった。
「…しッ…ま、」
「、w俺最後やぞ、?」
「さすがにこんな終わり方は望んでへん。」
「…でも、っ」
「お前のことを考えるだけで、っおれは苦しくなんねんぞ、…!!」
「、今日に限って、っいられるかよ……ぼけ、」
しっまと目を合わせないように、俯きながら言う。
「、そーなん」
「じゃあ一緒に教室行こか。」
「は、ッ!?」
「おま、っ……日本語伝わってる、?」
「めちゃめちゃ伝わっとる」
「、じゃあ……、わかるやろ、!」
「最後にしゃおろんと授業受けたいから」
「俺はそれしか考えてへんw」
「、ふッw」
いつの間にか涙も止まっていて、
絶対に話せない、そう思ったしっまとも話せて、
告白してはっぴーえんど。
―――――
――そう思ったよね。
でもこんな少女漫画みたいな展開、現実にあるはずないんだよw
これは全部妄想、
実際は仲良くもないし、抱きしめられてもない。
話したこともないし、呼び出してもない。
転校の詳細は盗み聞きしただけ。
ほんとに、……なんにも仲良くない。
しっまの転校が決まって、そっからほぼずっと休んだ。
関りは無い、……けど会いたくもない、そう思った。
「、せめて……仲良くなりたかったなあ、ッ」
おれの初恋は見事に散ってった。
.
見ずらかったらほんとにごめんなさい🙇🙇
このストーリー、一番初めに保存したのがこの日です。
、今日は12 / 12ですね
はい停滞期入りました!!(
ダイエットの方じゃないっすよ!?! 執筆の方です!!
何を書いても納得いかないし、途中で何書いてるかもわからなくなるし
モチベも上がらないし、何より執筆が遅くなるんですよ
だから投稿頻度遅くても気長に待ってもらえるとほんとに助かります🙏🏻
連載も裏で少しずつ進めていますので、何卒よろしくお願いします!!
コメント
6件
うわすごくすきです❗️
うわ、なんか、もう…… ( ? ) とりま好き。 全部shaさんの妄想だったってのが儚くて良いよね。