注意!
・銀河街の悪夢(SEKAI NO OWARI)という曲のパロディです。先に聞くことをお勧めしておきます。
・ソ連さん。
・崩壊間近。
地雷さんはご自衛ください。
では本編Go。
「…行ってきます」
そう言って、今日も家を出る。
カンカンカンと、踏切の音がうるさく鳴っている。
周りには人がいるはずなのに、なぜか
なぜか、自分の足音だけが聞こえていた。
明日に住み着いてる、幻覚の名前は
みなさんご存じ『希望』というアレです。
(…未来なんて来なけりゃ皆とのこの差も、)
“これ以上は開くことはないのにな”
だって昨日も一昨日も
変わろうとしてたけど
(今日も僕は変われないまま今日がまた終わってく)
明日また起きたら、何か始めてみよう。
だから今日はいつもより、早く眠りにつこう。
(だけど眠れなくて、朝日が昇るんだ)
眠ろうとして、空が白んでいく窓をじっと見ていた。
顔が朝日に照らされて、嗚呼、またやっちゃった、と思うあの感覚が…心底嫌いだった。
「…明日はもっと自分が、嫌いになるのかな」
呟いた声は、踏切の音にかき消される。
雑踏の中、俺だけが浮いているように感じる。
近くの公園から聞こえる、賑やかな子供たちの声。
近づく『崩壊』の足音に、人々はまだ気づいていなかった。
精神を安定させるアイツの魔術は
苦しみだけじゃなく楽しみも消してく
憂鬱を抑えてくれるアノ子の呪いは
絶望だけじゃなく希望もなくしていく
(…嗚呼僕の体が、壊れていく)
『いいかい、君は病気だから』と
お医者さんがくれたこの薬を飲んだなら
深い眠りに堕ちるんだ
『明日また起きたら、何か始めてみよう』
だから今日はいつもより早く起きてみよう
(だけど起きれなくて、夕日が沈むんだ)
起きようと思っていたのに、なぜか空は眠る前と変わらない暗い夜空で。
時間を見て、嗚呼、また起きれなかった、と感じるあの感覚が、心底嫌いだった。
「…こんなに、辛い日々もいつか終わるかなぁ」
目の前を列車が通過していく。
風が強く吹き、ウシャンカ帽の耳あての部分が揺れる。
ふと感じた息苦しさに襲われて、俺はうずくまった。
目の前に、誰か立っていた。
目の前に居たのは、過去の俺だった。
そいつは、まるで歌うように話し出した。
そうさ、誰のせいでもなくて、僕の問題だから
僕の事は僕でしか、変えることはできないんだ
明日を夢見るから、今日が変わらないんだ
僕らを動かせるのは今日だけなのさ
(今日こそは必ず、何か始めてみよう)
過去の俺に誘われるままそこまで思って、アメリカやもういないナチスの顔が脳裏をよぎった。
俺の使われることが極端になかった表情筋が緩み、自嘲の笑みが自然と浮かんだ。
(…応援はあまりないけど、頑張ってみるよ)
明日を夢見るから、
今日が変わらないんだ
僕らを動かせるのは自分だけだろう
そんなことわかってるんだろう
暗い視界の中で、
確かにそう聞こえた。
最後の歌詞で絶対にソ連さんをモデルに書こうと思いました。
コメント
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わっ、わぁぁぁ!?すごい!
うぉぉ、、!?すげ、、、✨