なんか、、秘密って良くない??????
Ak(あき)
・高校2年生。
・明るくて誰とでも仲良くなれる陽キャ。
・運動神経抜群で、バスケ部のエース。
Mz(まぜ)
・高校2年生。
・無口。陰キャ扱いされているが成績は優秀。
・本を読むのが好きで、休み時間はいつも 一人でいる。
「おーい、次の体育バスケだってよ! やるしかねぇな!」
Akは友達とふざけ合いながら笑っている。
教室の中心で盛り上がる彼とは対照的に、Mzは窓際の席で静かに本を読んでいた。
「Mz、体育サボるんだろ?」
誰かがからかうように言うが、Mzは顔を上げずに「……ちゃんと出る」とだけ答える。
それ以上、誰もMzに話しかけることはない。
Akもまた、彼に視線すら向けなかった。
まるで、何の関係もないみたいに。
放課後の人気のない教室。
「ふぅ〜、やっと静かになった!」
AkがMzの机に肘をついて、気楽そうに笑う。
それを見たMzは、小さくため息をついた。
「……お前、さっきまで俺のこと無視してたくせに」
「そりゃそうだろ? バレたら面倒じゃん」
「……ほんとにお前ってやつは」
Mzは呆れながらも、本の栞を挟んで閉じる。
こんなやり取りも、もう慣れたものだった。
「でも、俺はちゃんと気にしてたぞ?」
「……何を?」
「お前がちゃんとご飯食ってるかとか、体育でサボらずに動いてるかとか?」
Akがニカッと笑いながら言うと、Mzは少しだけ頬を赤らめ、目をそらした。
「……うるさい、/」
ある日、体育の授業中。
バスケットボールがMzの方へ飛んで来た。
Mzはぼんやりしていて、気づくのが遅れた。
「危ない!」
Akがすぐに動いて、Mzを庇うように腕を伸ばした。
その瞬間、周りのクラスメイトたちがザワついた。
「え、AkってMzのこと気にしてた?」
「珍しいな、なんか意外」
Akは慌てて「いやいや! たまたまだって!」と誤魔化したが、Mzは黙ったままだった。
しかし、その日の放課後——
「お前、アホか?」
Mzは腕を組みながら、Akを睨んだ。
「ん? 何が?」
「俺を庇ったこと」
「あー、あれ? つい体が動いちゃったんだよな〜」
Akが頭をポリポリかくと、Mzはため息をついた。
「お前、もうちょっと隠しとけよ。バレるだろ」
「いやいや、Mzちの方こそ、もうちょっと嬉しそうにしてよ!」
「……別に嬉しくねぇし、」
Mzはそっぽを向いたが、耳が少し赤くなっていた。
次の日も、クラスの中では他人のフリをする。
けれど、放課後になればいつも二人でいる。
——それが、彼らだけの秘密だ。
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