wt BL短編集

shk視点

kn「よ」

「ん？あ、きんときおはよ」

kn「最近きりやんと喋ってなくね？」

「別に普通だろ」

kn「いやいや、カップルかってくらい仲良かったじゃん」

「…そんなことないし」

…きりやんには嫌われてるんだから…

彼が俺から離れていったのが分かってから、どう接すればいいのか分からなくなった。

俺は彼が好きだけれど、彼は俺の事を嫌っている。

…それならもう、いっその事一切話さない方が俺にも彼にもいい。

そうなのに、周りの奴らは優しいからお節介ばっかかけてくる。

kn「…きりやんのこと嫌いなの？」

「…んなわけない」

kr「…じゃあ好き？」

…好き…と言えばきんときはどんな反応をするのかな。

キモイと思われるんだろうか…。

そもそも好きを友達の意味で受けるのか恋愛で受け取るのかどちらだろう。

…まぁ、普通は友達…だよな…

「…好きだよ」

kn「それは恋愛的な？」

「えっ…」

心を見透かしていたかのように、彼は俺にそう告げた。

…ストレートに。

kn「…ふは笑」

「シャケのこと見てればわかるって笑」

「…誰にも言うなよ」

kn「分かってるよ」

…ほんとか？

と、疑いたくなる表情、言い方だったけれど彼はそこまで広めるタイプではないだろうからあまり深くは言わなかった。

kn「…俺から見たら2人は両思いっぽかったけどね」

「…は？」

kn「じゃまたね」

そう言って、彼は走って自分の教室へ逃げ込んでいく

「ちょ、おい！きんとき！！」

…なんなんだよ…

両思い…？

誰と誰が…？

…俺ときりやんが…？

…いやいや、そんなわけない。

だって彼は俺から避けたんだから…｡

…。

kr視点

…あーあ。ついに友達でもなくなってしまった。

彼とはもうずっと話していない。

…もう友達ですらないなら告白してもいいんじゃないか？

そうすら思い始めてきた。

…迷惑…かな…。

心の中に不安はあったものの、言わなければきっと消化できないと思い、しっかり気持ちを彼に伝えることにした。

〈今日の放課後会えない？〉

sh〈会えるよ〉

sh「…よ」

「…よ」

久しぶりに話す彼との会話はぎこちなくて、気まずい空気感だった。

「…言いたいことあってさ」

sh「…何？」

俺はゆっくりと深呼吸をして彼の目を見つめた。

「…俺シャークんが好きだったんだよね」

sh「…ぇ…」

彼の声は小さく、俺の耳には届いてこなかった。

「結構前から…」

「でも、シャークんには好かれてないって分かってるから思いっきり振ってもらってd…」

sh「ちょ、ま、まって」

そう言って、彼は小さなその手で俺の口を塞いだ。

彼の顔を見るのが怖くて、下を向きながら話していたから、急に彼の姿が近づいてきてびっくりした。

sh「…それがち…？」

「…がちだよ」

そう言うと、彼は少し恥ずかしそうに目を逸らし小さな声で呟いた。

sh「…俺も好き…」

「…へ…？」

…聞き間違いだろうか…

今、彼の口から “ 俺も好き ” と…そう聞こえた気がした…

「も、もう1回…」

sh「はっ、！？」

「だ、だから…」

sh「…お、俺もきりやんのこと好きだって…｡」

ハッキリとその言葉を聞いた瞬間、俺は膝から崩れ落ちた。

sh「うわっ、！？」

「だ、大丈夫かよ…」

「だ、大丈夫…｡ちょっとびっくりしただけ。」

「…ほんとに…？」

sh「…だからほんとだって…」

「…俺と付き合ってくれる…？」

sh「…喜んで…！」

すれ違いは起きてしまったけれど、一年以上続いた俺の片想いはこの瞬間、諦めていた願いが叶ったのだった。

最後まで見てくださりありがとうございました🙇🏻‍♀️